OLDIES 三丁目のブログ

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第34回「寺田屋大騒動」(8/29) 龍馬と近藤の出会いと別れ―その歴史ドラマ的必然

 オープニング前、第一次長州征伐や高杉晋作の挙兵などの歴史的事件について簡単に紹介されていた。
 金がないから長州征伐はできない、と言っていたはずの幕府が長州征伐を決行。
 長州では穏健派が巻き返し、幕府に恭順。
 しかし強硬派・高杉が挙兵、激動は続く。
 歴史的には興味深いところである。(⇒⇒)
 そしてオープニング明けてすぐ、先週壮絶な最期を遂げた山南敬助堺雅人)の登場には驚いた。
 実は藤堂平助中村勘太郎)が土方と井上源さんに語った、山南が千葉道場を去った時のエピソードだった。あのまま山南が千葉道場に留まって坂本龍馬と行動を共にしていたら……。

 山南が切腹前、龍馬に当てて書いた手紙には、ただ一言「託す」と。
 これはどういう謎かけか。
 確か山南は、新選組と近藤局長の将来を永倉と原田に託していたのでは?
 そして龍馬には、何を託したのか?

 深雪太夫(優香)の身請けを決めた近藤。落ち合う場所とした寺田屋に、江戸からやって来た本妻・つね(田畑智子)&総司の姉・ミツ(沢口靖子)と鉢合わせ……。
 平助、顔面蒼白!斎藤一、落ち込む!あの鬼の副長が、あの井上源さんが、おまけに深雪太夫が必死のアドリブ劇を熱演!もちろん滝本捨助中村獅童)も登場!そしてあの桂小五郎石黒賢)が快心の大イタズラを!そして近藤局長が大河史に残る名言を……!
 今回はこのドタバタエピソードが中心。
 喜劇に徹した新選組というのもいい。
 三谷さんが香取慎吾に参考書として渡したみなもと太郎版・新選組というのも、このような喜劇調なのだろうか。ぜひとも読んでみたい。

 今回、ドタバタ喜劇中心だったが、近藤勇坂本龍馬の決別という、重要なエピソードが最後に控えていた。
 近藤と坂本が顔見知り、というのが今回の新選組の新解釈。

「おまんと会わん方がええと思うちょる。
 今度会う時は敵じゃきに」

 近藤と坂本の進む道の違いと別れを、二人の友情で象徴的に描いていたのであったのなら、歴史の流れを考えると、この出会いと別れはむしろ、歴史ドラマ的必然ではなかったか。