OLDIES 三丁目のブログ

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第37回「薩長同盟締結!」(9/19)〜松原忠司の死の謎

 西本願寺の倉庫の大事な巻物を破った沖田・原田・平助を叱る近藤勇香取慎吾)。
 同じ叱責をするにしても、局長の近藤は温情的で逃げ道を用意している姿勢。
 一報、敵の未亡人と密通の疑いのある松原に対する副長・土方の取調べは第一声で
「法度の第一条を言ってみろ。切腹に値する」。
 この違いは大きい。(⇒⇒)
 松原忠司甲本雅裕)、自らが斬った長州藩の志士の未亡人に殺される!
 松原の最後は、はてなの用語解説などを見ても、「不可解な点が多く」と書かれている。
 子母沢寛の『壬生心中』による心中説もあるという。
 三谷版新選組では、未亡人に油断させられて殺されるという新解釈を打ち出してきた。
(新解釈としていいのでしょうか。私、新選組に関しては初心者なもので。)

 確かに、ありそうなことで、物語としては面白い。
 
 当時の道徳としては、仇討ちが美徳とされ、未亡人が夫の仇を討つというのもありそうだ。

 しかし、私としては、この解釈は、松原にとって気の毒のような気がする。
 親切にしてやった未亡人に騙されて殺されるとは、あまり考えたくない。

 松原に殺された男としても、松原を信頼して妻に金を渡してくれ、と託したはずである。
 その、敵のはずなのに自分の最後の願いを聞いて妻に親切にしてくれた男が、妻によって殺される、というのも、その男の立場としてもいやな結末であろう。
 というか、思想的にいがみ合っている敵に、「妻に渡してくれ」と金を渡そうと思うのだろうか。
 どうもこのエピソード、最初からあり得ないように思うのだが。

 新選組の公式発表では、
「土方に未亡人との内通を叱責された松原は、未亡人を斬って自害した」となった。

 土方は、あえて松原の恥をさらすことなく、自分が悪者になることで事件を収束させた。
 この解釈、土方のイメージを良くする解釈である。
 新選組の規律を守るためということで、厳しい側面が描かれることの多い土方だが、今回は違う一面を見せた。
 しかし、折角今回土方の温情の一面を見せたのに、公式HPのあらすじを見ると、次回は何だかまた新見や葛山に続く、例の近藤局長不在時の私刑をやらかしそうである。またか!うんざりである。

 龍馬取調べのために寺田屋に集まった新選組。今回は帰って以前の借りは返した、ということになった。
 寺田屋前で変装して占い師をしている桂小五郎改め木戸(石黒賢)(名はまだ孝允ではなく、別の名に改名していた)。
 隊士の一人の扇子が「凶」の位置に触れ、瞠目する木戸。
 この隊士が誰なのか、ビデオを何度も巻き戻して検証した結果、どうやら沖田総司藤原竜也)ではないか、と思うのだが。
 私は占いが好きなので、占いに関するこういった演出は面白い。
 しかし私なら占い師がいれば、「ちょっと見てもらおう」となり、「やや、お前は桂」という展開になっていたかも。
 しかし占い師に化けたり、うどん屋に化けたりと、石黒桂も嫌味だと言われながら、色々とエンターティナーぶりを発揮してくれる。

 そしてついに、ベンチャー起業家・坂本龍馬薩長同盟を成立させる!
 別室に控えている木戸と西郷の間を龍馬が行ったりきたりして言い分を聞き、間をつめていく。
 龍馬の骨折りが犬猿の仲の薩摩と長州を結びつけた。
 近藤に薩長同盟締結の報を聞いた会津松平容保筒井道隆)は
「300年の時を経て島津・毛利と再び戦うことになるのか……。」
 300年前の関ケ原の合戦を持ち出すところがすごい。
(私は数年前の大河ドラマ毛利元就』を思い出した。歴史は元就の時代から続いているのだ。)
 確かに、関ケ原では島津・毛利ともに西軍で、反徳川だったのだから、今回も反徳川で手を結ぶのはありえる。
 むしろ、同じ徳川に恨みを抱く外様藩同士が争っていた今までの状況が不自然だった。

 ついに反徳川勢力が一つになった。
 同じ目的の下、同じ組織に集まった新選組は内部で争っている場合ではないのだが……。