文豪の探偵小説 (集英社文庫)
【途上 谷崎潤一郎】
会話劇ミステリー。
名探偵安藤一郎の見事な尋問です。
安藤探偵が活躍する他の事件を描いた作品、あるのでしょうか。
【オカアサン 佐藤春夫】
仙人のような鳥売りのお爺さんからオウムを買ったところ、色々な言葉を覚えていて、その言葉から前に飼われていた家庭のことを色々と推理する話。
この話、好き。
私も鸚鵡を飼おうかのう。
『ビルマの竪琴』でもオウムを使ったやりとりがありました。
他に、オウムを効果的に使ったミステリーはあるのでしょうか。
【復讐 三島由紀夫】
気まずい夕食シーン。この家庭、相当病んでいます。
そういえば私も、子どもの頃、一家4人での夕食は居心地悪かった。
その後精神を病んで会食不能症となったので、複数で食事をするシチュエーションが苦手です。
しかし本作品、本格的長編ミステリーのような豪華な設定なのに、唐突に終わったようで残念。
これからが本当の物語が始まりそうなのに。
【報恩記 芥川龍之介】
「藪の中」のような、複数の人が語る事件。「藪の中」のように証言は矛盾せず、一致しているように思える。
最後の証言は、だれが聞き取ったのだろうか。当時でも死罪の前に牧師さんと話す制度があったのだろうか。
【死体紹介人 川端康成】
私が大嫌いなタイプの太宰治作品の主人公のような、理性のコントロールが効かずに女にだらしない、しかしなぜか女にモテる主人公が退廃的な二股をかけ続ける物語。
私はこういうタイプの物語は大嫌いで、嫌悪感しか持たない。
中学生か高校生の時かに『雪国』を読んだ時も、嫌悪感しかなかった。
私にとっては川端康成や太宰治の作品は相性が悪い。
【犯人 太宰治】
主人公であり犯人でもある鶴田慶助は、まさに典型的な私が大嫌いなタイプの太宰治作品の主人公である。理性が効かず感情のまま放蕩するタイプである。
それでも他の太宰作品ではさすがに殺人までは至らないのに、この作品では肉切包丁で姉を刺す。それで金が続く限り放蕩して最後に自殺するという、不快でつまらない描写が続く作品。
最後のオチもあり得ない。
理性が強すぎて行動が制限され過ぎているタイプの私としては、そもそも太宰治の作品自体を受け付けないのである。
(と書きながら、論理的でない感情だけの感想文ですみません)
【范の犯罪 志賀直哉】
こういうナイフ投げショー、マンガでは見たことありますが、現実に演じられていたのでしょうか。
(ウイリアム・テル顔負けの東洋人)
もし実際に行っていたとしたら、事故で怪我や死亡に至ったことはあったのでしょうか。
しかし、ショーが失敗して有罪になるのなら、こんなショーは怖くてできません。ナイフを投げられる役をするのも御免です。
最後の裁判官の判断も疑問です。
何だかよく分からない小説。
wikipedia:范の犯罪
円熟未熟留学生 in ケンブリッジ(という町)
「オカアサン」(佐藤春夫作の短編小説〈アンソロジー『文豪の探偵小説』より〉)
http://enmi19.seesaa.net/article/394060194.html?seesaa_related=category
役者の裏街道 短編演劇アンソロジー四 志賀直哉篇「范の犯罪」についての考察
http://mazenana.seesaa.net/article/102135239.html
■[名作文学]文豪のミステリー小説
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20160516/p1
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