辻真先先生監修のコミグラフィック日本の古典において、『好色五人女』と並んで異色だったのが本作品。ジュブナイル向けの古典全集でこれは珍しいラインナップではないかと思って借りてみました。
しかし私の好みには合わない作品でした。
『心中天網島』は、主人公の紙屋治兵衛が大嫌いだ。こんな性格は大嫌いです。こんなひどい奴なのに妻のおさんや遊女の小春が何で愛想を尽かさないのか不思議です。紙屋治兵衛のライバル・太兵衛も治兵衛に輪をかけて嫌な奴です。
『女殺油地獄』の主人公・与兵衛はさらに悪どい野郎です。こんな悪人が悪さをする物語は大嫌いです。しかし最後に悪事が露見して処刑されたのは良い終わり方です。
『曽根崎心中』の徳兵衛は気の毒な詐欺事件の当事者となるわけですが、私としては犯人一味と戦って成敗するというミステリー的な展開としてほしかった。犯罪を暴かずに心中して終わりという心中ものは私の好みに合わない。
さすがに名の知られた近松門左衛門だけあって、皆ストーリー展開がうまく物語としてよくできているのは分かるのですが、私の好みには合わず、むしろ大嫌いで嫌悪する類の物語でした。
私自身人間関係で失敗して人生に落伍したようなところがあるので、恋愛だとか犯罪だとかでドロドロした物語は大嫌いで、勧善懲悪のスッキリした物語の方が好きです。ということは、読む小説のジャンルも相当限られてくるということです。
日本古典としては偏屈の世捨て人のおじさんが書いた『徒然草』や『方丈記』辺りの方が私には合っていると思います。
●ブクログ
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[wikipedia:近松門左衛門]
[wikipedia:心中天網島]
[wikipedia:女殺油地獄]
[wikipedia:曽根崎心中]
矢代まさこの『枕草子』【コミグラフィック日本の古典】
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暁教育図書の【コミグラフィック日本の古典】
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桑田二郎の『源氏物語』【コミグラフィック日本の古典】
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宮腰義勝の『好色五人女』【コミグラフィック日本の古典】
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ヴィヨンの妻 大谷は嫌いだ
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芥川龍之介『秋』 男女三人家庭人の物語
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『文豪の探偵小説』
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