一房の葡萄
ここに登場する人々はみんないい人です。語り手はクラスメイトの絵の具を取ったことについて良心の呵責を感じ、それを発見したクラスメイト達は乱暴もせず暴言も吐かずに許してくれます。そして先生は性善説に立って問題を解決します。ファンタジーの世界です。
私も幼い頃からこんな善男善女ばかり登場するファンタジーな読み物ばかり読んで無菌状態のすっかり甘いスイートちゃんになっていました。
そして現実の学校の雑菌やばい菌がウヨウヨする汚れた人間関係に対応できず、精神を病んで人生から転落してしまったのです。あまり美しい物語ばかり読むのも考えものです。
しかし善男善女ばかり通っている学校らしく、先生は個室を持っているようです。まるで大学の教授並みの待遇ですね。一般庶民が通う学校のような職員室ではありません。個室でなく職員室だったら、もっと展開が違っていたでしょう。
窓から葡萄が取れるとはなかなか優雅ですが、葡萄とはそんなに簡単になるものでしょうか。かなり手間がかかって農薬も使うというイメージなのですが。
そして先生やジムのその後はどうなったのでしょうか。
青空文庫 図書カード:No.211 一房の葡萄 有島 武郎
http://www.aozora.gr.jp/cards/000025/card211.html
http://www.aozora.gr.jp/cards/000025/files/211_20472.html
wikipedia:一房の葡萄
熊男の住処
「有島武郎『一房の葡萄』の意味についての仮説」
http://kumaotoko.in.coocan.jp/hitofusanobudou.html
ブクログ
http://booklog.jp/item/7/000211
http://booklog.jp/item/1/B009IX5AR8
読書メーター
https://bookmeter.com/books/5597773
碁石を呑んだ八っちゃん
見せ物・大道芸に関心のある私としてはこんなタイトルを見ると人間ポンプを思い出すのですが、もちろんそんな話じゃありません。命にかかわる深刻な事件です。
赤ん坊は何でも口に入れるというのは本能のようです。
赤ん坊や幼児の喉詰めの危険性啓発のために読んでおくべき必読作品です。
兄弟といえどもライバルの始まり。弟に対する兄の心境がうまく描かれています。著者は子どもの心をよく知っているというか、忘れない方なんですね。
「婆や」という人が登場します。何だかお婆さんのようなイメージで描かれていますが、八っちゃんにお乳をあげている乳母のようで、お乳が出るくらいならそんなに年寄りでないはずです。
食っていくためにいいとこの家に乳母に来て、赤ん坊に喉詰めという失態を演じてしまい、そんなに年が違わないであろう家の奥方に謝っているのを見ると気の毒です。お金のあるなしによって境遇・待遇が変わるという社会の厳しい現実を描写していますね。
青空文庫 図書カード:No.1053 碁石を呑んだ八っちゃん 有島 武郎
http://www.aozora.gr.jp/cards/000025/card1053.html
http://www.aozora.gr.jp/cards/000025/files/1053_20455.html
作品データベース 碁石を呑んだ八っちゃん: 感想(評価/レビュー)[小説]
https://sakuhindb.com/jbook/Kuraranoshuke/
ブクログ
http://booklog.jp/item/7/001053
http://booklog.jp/item/1/B009IXU686
読書メーター
https://bookmeter.com/books/7851096
wikipedia:有島武郎
■[学問]【超常現象】人間ポンプ・安田里美 タネも仕掛けも……?【物理現象を超越】
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20161021/p1
■[学問]香具師口上集 (続) 室町京之介 人間ポンプ有光敏雄の口上も
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170120/p1
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