OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

風と雲と虹と 第28回 坂東震撼す

 吉永小百合出演 大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第壱集 DVD-BOX 全7枚【NHKスクエア限定商品】 吉永小百合出演 大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第弐集 DVD-BOX 全6枚【NHKスクエア限定商品】 風と雲と虹と―平将門の時代 (1975年)


 今回は前回ラストの田原藤太(露口茂)と武蔵(太地喜和子)のシーンから。
 どうやら行き倒れていた武蔵を藤太が助けたらしい。
 武蔵は長居し過ぎたと思い、出て行く際に過去を明かすと藤太に約束する。
 

 季重(沢竜二)も武蔵を探しに近くまで来ていた。
 貴子(吉永小百合)を凌辱し乳母(奈良岡朋子)を殺した盗賊の一味を成敗したところ、鹿島玄道(宍戸錠)と遭遇。
 なぜか同行することになる。
 しかし季重と武蔵はいつ別れ別れになったのでしょうか。
 武蔵が藤原子高(入川保則)に捕まった 第15回 伊予の海霧
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2020/05/11/202420

 武蔵がけら婆(吉行和子)や傀儡達に助けられた 第16回 恋の訣れ
https://diletanto.hateblo.jp/entry/kazetokumotonijito16
では季重は登場しなかった。
 この間、季重はどこか遠くへ出張していたのでしょうか。
 

 将門(加藤剛)は少数の部下を連れて偵察に出るが、南下してきた良兼(長門勇)・良正(蟹江敬三)の大軍と遭遇!
 しかし将門は少しも慌てず的確な指示を出す。
 

 急襲を受けた本体は騒然。


 負けを悟った貞盛(山口崇)は早々に繁盛(佐々木剛)と侘田真樹(藤巻潤)に退却を命じる。
 逃げ足が速いというか空気を読むのが速いというか。
 しかし繁盛やマキさんを見捨てずに一緒に逃げようとしたことは偉い。


 織田信長桶狭間の戦いを思わせる小よく大を制す奇襲です。
 日本三大奇襲というのがあるようですが、今回の将門の作戦を加えて日本四大奇襲にしてもいいのではないでしょうか。
 いや、これは史実ではなくて原作や今回の大河脚本による創作なんでしょうか。
  
 wikipedia:日本三大奇襲
 

 大敗した良兼軍は下野の国府の近くのさる豪族の屋敷に逃げ込むが、その屋敷も将門軍に包囲されてしまう。
「さる豪族」って、良兼軍に味方したばっかりに包囲されてひどい目に遭っているのに名前も与えられていなくて散々。


 名前が設定されていないさる豪族さん。


 将門にまた迷いが出る。皆から散々忠告されたのに今回も敵を助けてやる。
 包囲を解いて逃げるのを見逃してやるという方法を取りました。
 そんな中途半端なことをせずに、本格的に和平条約を結んで和睦すれば良かったのに。
 圧倒的に有利な状態だから交渉しないいわれはない。
 とはいえ、史実ではそうなっていないのだからドラマで勝手に和解するわけにはいきません。


 最後まで見逃すことに反対した三郎将頼(高岡健二)も無視される。
 貞盛(山口崇)の弟・繁盛(佐々木剛)にしろ将頼にしろ、頑固で聞く耳持たない兄を持った弟は苦労するのです。



 将門の寛大さを見せられた季重は将門を見直す。

 海と風と虹と(上) 平将門 (上巻) (新潮文庫) 平の将門 (吉川英治歴史時代文庫) マンガ日本の歴史〈10〉将門・純友の乱と天暦の治 (中公文庫)

 風と雲と虹と NHK大河ドラマ・ストーリー

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風と雲と虹と 第27回 折れた矢

 吉永小百合出演 大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第壱集 DVD-BOX 全7枚【NHKスクエア限定商品】 吉永小百合出演 大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第弐集 DVD-BOX 全6枚【NHKスクエア限定商品】 風と雲と虹と―平将門の時代 (1975年)


 良正(蟹江敬三)と合流した良兼(長門勇)は、貞盛(山口崇)にも参陣するよう使いを出す。
 蓮沼五郎(小沢幹雄)はかなり強引に迫るが、貞盛も強引に追い返す。
 

 弟・繁盛(佐々木剛)が独自に出陣の支度を始めたので強引にやめさせる。
 少々弟扱いがひどい気がします。
 兄弟なのだからもっとよく話し合って意見のすり合わせをするべきだと思います。
 こんな強引なことをやってると後で取り返しのつかないことになりそうな気がします。
 

 小督(多岐川裕美)がいるから良兼軍も攻めては来ないだろうと安心して寝ている間に、繁盛・侘田真樹(藤巻潤)・小督らが出陣。
 これは油断しましたね。やはり貞盛は武士というより貴族です。

 至急馬を仕立てて弟やマキさんを呼び戻しに行きます。
 母・秀子(丹阿弥谷津子)は予定通り貞盛の手紙を持って将門(加藤剛)の陣に向かう。
 

 中立を守ると書いてきた貞盛に感謝する将門であったが……。



 弟やマキさんを連れ返すつもりだった貞盛であったが、良兼に説得される。
 交渉は決裂し帰るつもりだったが、殺意を察し、あっさりと翻意する。
 やはりお調子者の貞盛は空気を読むのがうまいですね。空気を読まない将門とは対照的。
 そもそも、殺気立つ陣営から血気にはやる弟やマキさんを連れ戻せると思って軽々しく行動したのがまずかった。
 本当に将門と戦いたくないのであれば、弟やマキさんはあきらめて自分は蟄居しておくべきでした。
 自分の力を過信して弟や良兼達を軽く見ていたことが失敗の原因でしょう。
……と上から目線で言っていますが、実は私も過去そのような傾向があったので、自分の失敗を踏まえた考察なのです。
 今後の人生ではこのようなことがないように自戒しておかないといけません。
 

 一連の経過は鹿島玄明(草刈正雄)によって報告されました。
 貞盛の母・秀子(丹阿弥谷津子)が気の毒。
「初めから裏切るつもりはなかったので察してほしい」
とお詫びしますが、将門は
「この折れた矢が元通りにならないように二人の友情も元通りになることはない」
と矢を差し出す。
 二人の仲を取り持とうとしてくれたご母堂様に少々厳しい態度。
 将門は自分にも他人にも厳しい人なんです。
「俺なら脅迫されても戦う。殺されたならそれまでだ」
ということですが、これは強い将門でないとできない選択です。文弱柔弱の貞盛に同じことを望むのは酷です。
 もっと柔軟性をもたないと周囲から浮き上がってしまうで……と、これも過去の失敗の経験から言える教訓。


 良兼・良正連合軍はすぐには将門を攻めず、周囲の国々を示威的に行軍し、周囲の豪族達と誼を通じ、援軍を受け入れていった。
 下総にまで進出したため、下総国府から下野守・大中臣全行(林昭夫)がやって来て抗議する。
 良兼は下総では戦はしない、通りがかっただけだと言って追い返す。
 周辺の豪族で誼を通じていない豪族は田原藤太(露口茂)だけとなった。
 

 良兼は田原藤太にも使者を出すが、病気と称して追い返される。
 

「良兼・良正が総勢を上げて戦う相手は豊田の……」
「将門はかたき」
と声を上げたまろうどの姫とは武蔵(太地喜和子)だった。
 

 第一話で少年時代の将門と対面した田原藤太(露口茂)が再登場です。
 あの時は役人に捕まって連行されていたのですが、今は許されて領地を持って一大勢力となっています。
 このあたりの事情はどうだったのでしょうか。まあ再チャレンジが可能ないい時代だったのでしょう。
 そして何で武蔵が田原藤太邸にいる?
 その後田原藤太がどう動くのか、武蔵がどう影響するのか、そして合戦の勝敗は!?
 今後の展開が気になるところです。

 ところで、藤原純友緒形拳)は田原藤太のことをどう見ていたのでしょうか。
 純友は広く日本を見渡して仲間を募っていたはず。
 田原藤太は将門の子ども時代から知られた存在でした。
 純友が将門を知る前から藤太を知っていてもおかしくはないはず。
 例え知らなかったとしても、今後は将門の強い味方となる存在なのだから、傀儡達や武蔵を使って同盟工作を行っても不自然ではないはず。
 ぜひ純友には三国同盟締結を主導してもらいたいところ。
 
 ところで私は子ども時代、ニュースを読んでいたおじさんがジェレミー・ブレット演じるシャーロック・ホームズの声をあてているんだと思っていました。
 この機会にはっきりと区別しておきます。
 
 wikipedia:露口茂
 wikipedia:露木茂
  
 海と風と虹と(上) 平将門 (上巻) (新潮文庫) 平の将門 (吉川英治歴史時代文庫) マンガ日本の歴史〈10〉将門・純友の乱と天暦の治 (中公文庫)

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中村文則『カード師』完結

 今度の連載小説は占い師が主人公だぞ、と喜んだものです。
 何となく占いによって人々が幸せになっていくというハートウォーミングなストーリーを想像したのです。
 ところが始まってみると、主人公はトランプ賭博でいかさまをする詐欺師でした。
 しかも謎の裏組織に所属していて命令によって非合法な調査を行う工作員でもありました。
 主人公はある占い好きの社長を調査することになります。
 占いが好きだとはいい人そうやないか、この社長が気の毒だと思って読んでいたら、実はとんでもない極悪非道の悪人でありました。
 もう登場する人全てが悪人で嫌な奴だと言って過言ありません。
 普通ならこんな裏社会を舞台にして悪人ばかり出てくる小説など読むつもりもないのです。
 むしろいい人ばかり出てきてハッピーエンドで終わる小説が読みたい。
 しかし作者の技量が本物だったからか、なかなか興味深く読むことができました。
 発表媒体がクオリティペーパーの朝刊だからか、エログロバイオレンスな描写も控え目で良かった。
 ストーリーは秘密組織から与えられた主人公の調査活動が中心に描かれましたが、その他にも主人公の子ども時代の思い出や中世の古文書の翻訳なども出てきてバラエティ豊かでした。
 主人公が属している組織とはどんな組織であってそれがどうなったとか、その関係者がどうなったとか、色々言及されずに終わったことも多かった。
 全てを説明し尽さずに読者が想像で埋める部分が多いような気がします。
 単行本になったらまとめて読みたい。その時は詳しい解説もつけてほしい。
 続編や前日譚等、主人公のカード師が遭遇する他の事件も読みたい。
  
(追記)
 作中、極悪社長の友人が作成したというタロットカードが登場します。
 これはぜひ商品化して占って頂きたいものです。
 
市井學人のツイッター保管庫
 中村文則の小説に登場!ニューサイエンスのタロット!?商品化して占ってほしい
  https://yorodzu.seesaa.net/article/475972004.html
 
著者公式サイト http://www.nakamurafuminori.jp/

 wikipedia:中村文則
 
「社会とオカルトの関係視野に」 新連載小説で中村文則
   https://www.asahi.com/articles/ASM9N5D72M9NUCVL01L.html
別世界を求める心理、突き詰める 中村文則さん連載小説「カード師」10月1日から
   https://digital.asahi.com/articles/DA3S14197781.html
 
予期せぬコロナ禍「未来の伏線、書いていた」 中村文則、「カード師」連載を終えて
   https://www.asahi.com/articles/DA3S14578412.html
コロナで一変した世界、祈り込めた 連載小説「カード師」書籍化、中村文則さん
   https://www.asahi.com/articles/DA3S14901405.html
悪くなっていく世の中で「祈りのようなものを書く必要があった」
   https://book.asahi.com/article/14347646
  
羊と猫と私
 新聞小説を読む 朝日新聞朝刊 「カード師」 293~
  https://hitujitone.exblog.jp/240494834/

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)
 新聞小説 「カード師」   (21) 中村 文則
  https://ameblo.jp/yashima1505/entry-12614921327.html

石崎徹の小説
 中村文則「カード師」
  http://maganetoru.blog.fc2.com/blog-entry-1466.html

中村文則「僕は小説家だからこそ恐れずに言う」
  https://toyokeizai.net/articles/-/347641
 
万年週末占い研究青年の覚え書き
  https://iching.seesaa.net/
観相師・水野義人
  https://iching.seesaa.net/article/475944955.html
夏目漱石の『三四郎』をタロットにしてみました
  http://sanshirou.seesaa.net/article/418855219.html
 
  
“「グッドバイ」朝井まかて
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/2019/05/04/204846
クラウドガール 金原ひとみ
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/20170105/p1
沢木耕太郎『春に散る』朝日朝刊連載小説 連載終了”
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/20160908/p1
“ぼくがきみを殺すまで その日は意外と早く来るのかもしれない”
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/20160118/p1
“私はテレビに出たかった 松尾スズキ
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/20131228/p1
“伊坂浩太郎「ガソリン生活」自家用車と家族の物語”
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/20121213/p1



        
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