OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

ぼくがきみを殺すまで その日は意外と早く来るのかもしれない

 2015年の年末に朝日新聞夕刊で連載していた、あさのあつこさん『ぼくがきみを殺すまで』が終了しました。
 架空の世界の物語で、カタカナの人名が登場するファンタジー的な舞台でしたが、描かれている出来事は生々しいものでした。
 架空の世界の物語なのですが、設定がしっかりと描き込まれていて、リアリティありました。
 共存していた2つの民族がやがて憎しみ合い、戦争を始めるまでには、このような過程を辿って行くという。
 現在日本に住む我々にとっても他人事ではないようなリアリティある描写でした。
 この物語で描かれたのは、70年ほど前に我々が体験したことであり、近いうちに我々が経験することであるのかもしれません。
 実はこの物語の設定があまりにうまく練られていて作りこまれていたので、本当にある世界のような気がして、物語にのめり込んで、もっと長く続いてほしかった。
 意外と早く終わってしまったので「ぼくがきみを殺すまで」ロス状態。
 朝日夕刊小説では、子どもをテーマにした短いシリーズが4本続いて、その最後の4本目が本作でした。
 本作品は短期間シリーズに収まりきらないテーマなので、たっぷり期間を取って描いてほしかった。
  
 L=エルシアが最後どうなったのか、最終回では描かれていません。
 ファルドは助けに来るのでしょうか。
 本作のタイトルも気になります。
「きみがぼくを殺すまで」なら、ファルドが死刑執行人となってLを処刑するということが考えられます。
 今回の主人公は明らかにLなので、このタイトルでは、Lが誰かを殺すという意味になります。
 私の考えでは、戦争に批判的だったLでも家庭の事情などで戦争に参加せざるを得なくなり、教官となって若い世代に戦争を教えたり、自分も戦場に出て戦う事態になったことを表したタイトルだと思います。
 これは、Lのみに当てはまることではなく、Lやファルドの国の人々など、戦争を始めた国の人全てに当てはまることです。
 当然、今後日本が戦争を始めれば、我々にも当てはまることなのです。

  ぼくがきみを殺すまで ぼくがきみを殺すまで  
 
「重いテーマ、物語としてだせるか試される」 あさのさん、来月から夕刊連載小説
  http://www.asahi.com/articles/DA3S11931868.html
佳境「日常、きちんと描く」 あさのあつこさん、夕刊小説「ぼくがきみを殺すまで」
  http://www.asahi.com/articles/DA3S12084303.html
戦争が変える、子どもの「生」 あさのあつこさん「ぼくがきみを殺すまで」
  http://book.asahi.com/booknews/update/2018031600003.html
  https://www.asahi.com/articles/DA3S13402632.html
「きみを殺す」…名前を奪われた少年兵、あさのさん描く
  https://www.asahi.com/articles/ASL3C6KRNL3CUCVL01M.html

  
宇宙やSFその他のメモ
 ぼくがきみを殺すまで (あさのあつこ 著:朝日新聞夕刊連載)
  http://x2babylon5blog.blog111.fc2.com/blog-entry-319.html
湘南のオアシスから
 ディストピアを生きる
  http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/231
鷹の爪団の吉田くんはなぜいつもおこったような顔をしているのか
 『ぼくがきみを殺すまで』がいつの間にかおわっていた
  http://parupisupipi.seesaa.net/article/432598949.html
ベル・ブック〜学校図書館航海日誌〜
「ぼくがきみを殺すまで」あらすじ
  http://ameblo.jp/doro-monnsuta-ka-do/entry-12109354588.html
朝日新聞に連載していたあさのあつこさんの、
  http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13154102788


 ケセランパサラン読書記 ー私の本棚ー
◆『ぼくがきみを殺すまで』 あさのあつこ 著 朝日新聞社
  https://blog.goo.ne.jp/hiranoumi/e/aa19f42ab3c2d678ff2764269ac65c1a
◆ 続きの感想。『ぼくがきみを殺すまで』 あさのあつこ 著 朝日新聞社
  https://blog.goo.ne.jp/hiranoumi/e/5506c49c96df1723fa12f9b7a7a21ec1


ブクログ https://booklog.jp/item/1/4022515384
読書メーター https://bookmeter.com/books/12718196

 
■[日々の冒険]特撮怪獣スぺクタルドラマ 荒神 宮部みゆき
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140430/p1
■[日々の冒険]筒井康隆『聖痕』(ネタ晴らし注意!)
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130313/p1
■[日々の冒険]今野敏『精鋭』連載終了
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20141002/p1

  
■[憲法]安倍政治の行き着く先 オーウェル『1984年』の世界
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150715/p1

  
SF KidなWeblog
 星新一白い服の男」 2014年の日本を予見する作品
  http://sfkid.seesaa.net/article/407910669.html
“ピロピロ”は始まっている!50年後の日本を予言していたトラウマSF!
『ピカピカのぎろちょん』(佐野美津男・著/中村宏・絵)
  http://sfclub.sakura.ne.jp/sano01.htm
  http://sfkid.seesaa.net/article/371097516.html
月世界2008年 福島正実が予見した21世紀初頭の日本
  http://sfkid.seesaa.net/article/414769703.html

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