先日、NLP速読術について書いた。
■[能力開発]「NLP速読術」とはテクニックでありプロセスではなかろうか
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20100210/p1
この時、
今までの速読法は、「飛ばし読みではない速読」ということにこだわりすぎたのではなかろうか。
そのことが、かえって速読の妨げになっていたのではないだろうか?
(斉藤英治式速読は、読む対象や目的によって読書法を使い分ける、という方法を提唱していた)
と書いた。
しかし、読む対象や目的によって読書法を使い分けることについて書いていたリーディングフィールズさんについて見逃していた。
私も加古式(キム式)登場後、大学時代までは新しい速読流派の本が出ればチェックしていたのであるが(残念ながらマスターはできなかったが)、社会に出てからは新しい速読流派の情報に疎くなっていたもんで。
- 作者: 今村洋一
- 出版社/メーカー: 明日香出版社
- 発売日: 2008/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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……ということで、「NLP速読術」によって開眼した速読法によってざっと速読してみた。もしこの速読法に開眼していなくて一字一句読んでいったら最後まで辿り着けたか分からない。
本書の81ページに縦軸に「速度」、横軸に「理解」を取ったXYグラフが掲載されている。グラフの位置によって、レベル1からレベル5の速読がありうるという。拙速のレベル1からギアチェンジしていくらしい。
なるほど、最初から一字一句の速読を目指すのではなく、拙速から始めるという方法である。前回私が勝手に決め付けた「NLP速読術」の精神と共通するものがあるのではないか?
本書も速読に対する心構えについていいこと書かれている。書かれている内容は「NLP速読術」以上かもしれない。
しかしアマゾンの書評の数では「NLP速読術」の方が圧倒的であるし、当然売り上げや知名度も「NLP速読術」の方が上ではないだろうか。
この差は一体どこから来るのか?
やはり、読み易さだとかプロデュースの方法とかが「NLP速読術」の方が時流に乗っているのだろう。
本書は細かい字がぎっしり詰まった感じである。一昔前のハウツー書はこんな感じだった。いわゆる優等生的な雰囲気を持っている。書かれている内容も優等生的で、速読の訓練法もMP3ファイルをダウンロードしたりとかちょっと複雑である。
最近よく売れるハウツー書はもっとくだけた感じで、字も大きいし余白も広い。マンガのように読めるのである。「NLP速読術」もそんな感じで、速読の訓練法も色々と書いてなく、これだけをしろ、と絞り込んでいる。
速読を必要とする人は当然読むのが遅いだろうし、だから速読法の本が速読しやすいかどうかというのも重要な点ではないだろうか。
最近売れるハウツー書を分析していくと、色々な共通点を得ることができるだろう。
プロデュースの方法について言えば、アマゾンキャンペーンなるものを行うことが一つのブームのようになっている。はっきり言ってどこで買おうが読者の勝手ではないか。購入書店で差別するとは傲慢な!どうせなら日本資本の書店にしろとか、近所の町の本屋さんで購入する方が余程地域振興になって日本の経済効果にもいいだろうとか。(とは言ってもアマゾンが一番利用しやすいのは確か。私もほとんどアマゾンで購入してるし。)
総中流神話は崩壊し、日本人の大部分は大資本に搾取されるワーキングプアに転落してしまった。日本人の大部分は読書する時間も精神的余裕もなくなってしまった。
知識と精神力の必要な読書をする余裕もなくなってきているのである。
分かりにくいことを分かりにくく教えるのは普通のことで、分かりにくいことをわかり易く教えるのは頭がいいことであり、親切なことである。
一昔前のハウツー書・自己啓発書は読むのもかなりの読解力が必要だった。しかし最近よく売れているタイプのハウツー書・自己啓発書は非常に分かりやすく書かれている。
予備校の授業や学習参考書などもその流れにある。
これは、日本人全体の読解能力が低下していることを表しているのではないだろうか?
しかしその分かりやすい授業・参考書・自己啓発書・ハウツー本によって全体の底上げがされれば、それはそれでいいことではあるが。
実際の効果はどのようなものだろうか。
ともかく、速読の本でも今後は現代のよく売れるビジネス書の傾向に合ったプロデュースが必要だろう。
その点で本書は少々損してるのではないだろうか。
しかし、講習会の費用は比較的安価で1日で終わるという。実際の授業は非常に良心的なので、行ってみたい気もする。
リーディングフィールズ基本の速読講座
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