古いビデオテープを整理せなあかんと思って、何が録画されてるのか調べたら、ETV特集で、敗戦後の日本の憲法制定についての番組だった。
憲法研究会の活動を、鈴木安蔵を中心に描いていた。
wikipedia:憲法研究会
wikipedia:憲法草案要綱
wikipedia:鈴木安蔵
上のウィキペディアの記述によると、録画されていたのは、
2007年2月10日 ETV特集第168回「焼け跡から生まれた憲法草案」
のようだ。
6年以上前のか。
当時、見た記憶がないので、録画したまま放置していたのだろう。
この6年間を思えば、憲法を巡る状況は、あの頃から一変しているのではないだろうか。
確かにあの頃も改憲(壊憲)派の連中の声は大きかったけど、最近は国会の議席も改憲(壊憲)派で3分の2を越える勢いであるし、参院選が終われば憲法改悪がいよいよ現実に行われそうである。
その他にも主要マスゴミは全て言論統制され、選挙の公正の信憑性が失われ、TPP参加に消費税増税……。
一体、何でこうなってしまったのか。
ETV特集「焼け跡から生まれた憲法草案」では、敗戦後、憲法研究会に集まって憲法草案を練った人々が描かれている。
彼らは皆、戦時中に弾圧されて不自由な生活を送っていた。
そのため、再び軍部が暴走しないよう、国民主権の仕組みを模索した。
鈴木安蔵は学生時代に治安維持法で逮捕され、退学の憂き目にあいながら、憲法の勉強を独学で続けた。
憲法に関する著書を出しても発禁となり、伏字にして改版を出すなど、不自由な研究生活を送った。
植木枝盛(自由民権運動の際、私擬憲法を出した)の調査に高知に向かい、植木枝盛と共に自由民権運動を行ったという老人達に話を伺ったりした。
wikipedia:植木枝盛
自由民権運動の時代にしろ、大東亜戦争敗戦後にしろ、人々は、奴隷的服従を脱し、権利を守るために憲法について必死に考えていたのである。
その先人の努力の結実が現在の日本国憲法なのである。
その先人の苦闘を知らない、生まれながらに日本国憲法に守られてきた苦労知らずの甘ちゃん連中が、どういう意図で「憲法を変える」と?
自由民権運動にしろ、戦後にしろ、切実に必要だったからこそ、国民の間から憲法試案が出てきたのである。
憲法第25条の生存権も、ワイマール憲法を研究した日本人の森戸辰男が提案し、追加されたのである。
日本国憲法が外国人の押し付けだと、ためにする悪意あるトンデモな単純化された図式であって、日本人も成立に深くかかわっていたのである。
現在も、本当に切実に憲法改正が必要ならば、国民の間から自然発生的に憲法試案が出てきてしかるべきではないだろうか。
改憲の声は高まれど、改憲試案は出ず。
国民の間では憲法論は全く話題にも出ず、イデオロギーに凝り固まった自民党や維新の会支持者やネット上の工作員が勝手に盛り上がっているだけで、インチキ選挙制度で水増しされた改憲(壊憲)派議員が一方的に憲法を改悪しようという。
なぜ4割の得票で8割の議席なのか
巷で流行る改憲論とは、自民党や維新の会にお任せの、お任せ改憲主義。
先人が苦闘の末にようやく得た国民主権を、深い考えもなく、自民や維新の改憲派議員(憲法を知らない安倍晋三や片山さつきら)に譲り渡そうという、先人が聞いたら怒り出すような恥ずべき奴隷根性ではないでしょうか。
今後、改憲について議論する際は、まず敗戦後、今の憲法がどのようにして成立したのかを知ることが第一ではないでしょうか。
そして、本当に改正(改悪)の必要があるのか、改正(改悪)案と現行憲法を比べてみて、どちらが憲法としてふさわしいのか、改正案を採用するとどのような事態が起こり得るのかシミュレートすることが必要。
自民改憲案 VS 日本国憲法 緊迫! 9条と96条の危機
次の参院選が最後のチャンスではないでしょうか。
日本の青空 http://www.cinema-indies.co.jp/aozora/index.php
小海キリスト教会牧師所感
日本国憲法はメイドインジャパンである
http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20121217/p1
自主憲法論は奴隷の道、日本国憲法こそ自主の道
http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20130130/p2
四丁目でCAN蛙
押し付け憲法? 実は「メイドインジャパンの日本国憲法」
http://d.hatena.ne.jp/cangael/20121218/1355790744
(追記)
「当時の日本では、民間学識経験者らで構成する憲法研究会が、たいへん進歩的な憲法草案を自主的にまとめています」
「GHQのスタッフは、この草案をよく読んでいた」
「日本政府の態度とは別に、一般の日本人の思いの中には、こうした発想があったのです」
【(人生の贈りもの)わたしの半生 ドキュメンタリー映画監督、ジャン・ユンカーマン:1
http://www.asahi.com/articles/DA3S11941015.html
↑ここで触れられている憲法研究会とは、この憲法研究会のことでしょうか。
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