日本の戦国時代における中国地方の“三国志”を描いたNHK大河ドラマ『毛利元就』。
今年のNHK大河ドラマは『毛利元就』だ!
ついに尼子経久(緒形拳)が挙兵!大内義興(細川俊之)方の領地に進攻を開始した。
経久は周囲の国人領主達に参陣を命じる。
毛利にも大内・尼子双方より参陣の命令が来るが、元就(中村橋之助)は決断を後伸ばしにしていた。
(以下、個人的覚え書きメモ。ネタ晴らし注意!)
吉川元経(ダンカン)、みぶ城攻めにて討ち死に。
この合戦、何だろうか。吉川は尼子方なので、尼子方と大内方の前哨戦のようなものだろうか。
wikipedia:吉川元経
大内方の鏡山城を巡って、毛利家に、尼子・大内両家から合力の勧誘が来る。
大内方は、毛利の幼い当主・幸松丸(北尾亘)と、菊姫(大内の重臣・杉しげきよの息女)の縁組みを申し出る。
蔵田房信(大鷹明良) 鏡山城主
蔵田直信(沼田爆) その伯父
決断を延ばす元就に対し、相合元綱(西島秀俊)は
「信義など甘い、力でねじふせて勝てば良い」
と、有利な尼子方に着くことを主張。
渡辺勝(榎木孝明)は
「尼子は強うなりすぎた。力で弱き者を威圧してくる。」
と苦々しそう。
それに対して桂広澄(草刈正雄)は
「尼子の力を利用すればよい」
と、毛利家内での勢力拡大を狙っているよう。
「利用させる人ではあるまい。毛利が飲み込まれるだけじゃ」
と冷めた反応の渡辺。
派閥・勢力争いに勝つために、外部の勢力を利用することがあります。
ところが外部の勢力を利用しているつもりでも、いつの間にか乗っ取られていることもあります。
こういった勢力争いの構図、リアルです。
自分が巻き込まれるのは真っ平ですが、ドラマを見てる分には面白い。
こういった勢力争いが色々と描かれているのも、「毛利元就」の面白いところです。
そして元就と美伊の方(富田靖子)の間に千代寿丸誕生。
美伊の方は実家のことは忘れ、元就のみを愛する愛妻ぶりを見せつける。
そこが藤野(加賀まりこ)には不満の様子。
実家を大事にして口出ししてくる嫁だと亭主も大変だろう。
まあいい夫婦関係だな。
軍議を開く大内方。
義興、鼻の下に髭をたくわえています。
鼻の下の溝(人中)で2つに分かれた凝ったデザインですが、人相学的にどうなのでしょうか?
占い人間学 ヒゲの話
「西谷泰人氏は、「ヒゲは権威の象徴ですが、鼻の下の縦の溝(人中)のヒゲがないのは運気を落とすので、人中にヒゲを生やすほうが、運気があがる」と述べています。」
http://pub.ne.jp/junkai4212/?entry_id=2026472
遠藤裕行の占い開運倶楽部 人相占い32
「人中に髭を生やさないのなら、髭は無い方が良いという事です。」
http://ameblo.jp/kaiun-life/entry-11145153354.html
迎えず送らず。 あごのひげ力
「この人中を「外して」ヒゲを生やすのは運気を下げよくないとされています。」
http://www.inkan-inkan.com/blog/2009/08/post-9.html
そういえば、渡辺勝のヒゲも、人中に細い切れ目があるデザインだ!
軍議に加わらずバカ騒ぎしている跡継ぎの大内義隆(風間トオル)に切れる義興。
「財も力も必ず衰える時が来る。
そうならないようにするのがそちの務めであろう」
「戦やまつりごとしかできぬ男も恥じゃが、遊びしかできぬ男も恥じゃ」
仕事も遊びもできぬ私にとっても身に染みる苦言です。
跡取りがこれでは大内家の行く末も思いやられます。
これでは見切られても仕方ありません。
しかし、なぜこうなるまで放っておいた?
帝王教育の失敗ですね。
母親の綾の方(東ちづる)が甘やかしすぎた模様。
義興が上洛中は仕方ないとして、京から戻ってから鍛え直すべきでした。
まあこれはドラマの上での話。史実ではどうだったか分かりませんが。
悪いことは重なるもので、大内方だった厳島で謀反が発生する。
軍議を行う毛利家。
毛利家家臣の喧々囂々(けんけんごうごう)の会議シーンは人間関係が錯綜して面白いのですが、今回は発言少な目。
大内派の井上元兼(片岡鶴太郎)も今回ばかりは大内に分がないので強い主張はできず。
桂広澄こそ、かねてよりの尼子寄りの意見を堂々と主張する良い機会のはずが、意外と元気がない。
渡辺勝に言われた指摘がこたえたのか?
深読みすれば、以前は緊密に通じていた尼子―桂ラインが、尼子の増長によって最近は機能していないのではないでしょうか?
一方、珍しく渡辺勝が積極的に発言して強硬に尼子方への参加を主張。
これに対して元就は
「長い目で見れば得策か。尼子経久は信じられるのか」
「目先の勝ちに走っても経久に利用され、捨てられるのは目に見えている」
と決断を保留。
元就も渡辺も、尼子経久が信じられない、むしろ利用されそうだ、と警戒している点では同じなのです。
その点、二人とも鋭い人間観察眼があるようです。
そして渡辺は、早急に尼子に与せねば面倒なことになる、と結論を下し、元就は時間稼ぎをしようとする。
元就と渡辺の置かれた立場も違うので、結論の導き方も違ってくるでしょう。
途中まで同じ分析ながら結論の出し方が違うというのは、人間の心は数学ではない、ということです。
しかしこの重要な会議に、志道広良(中村梅雀)が出席していないのはなぜなんでしょう?
中村梅雀のスケジュールの都合上、出席できなかったのでしょうか?
この場に志道広良がいれば、何と発言したでしょうか?
しかし尼子の圧力には抗しきれず、ついに尼子側に参戦を表明。
宇山久兼(磯部勉)は、
「幸松丸(北尾亘)を大将に先陣を務めよ!はようくみせぬからじゃ!」
と理不尽な命令。
やはり参加を遅らせたつけは大きかった!
尼子の重臣・宇山久兼を迎えるこのシーン、元就ほか毛利家の重臣が並んでいるのですが、元就の後ろに、先の会議のシーンでは登場しなかった志道広良(中村梅雀)が控えています。
しかしセリフはおろか、目立った動きはなし。これは中村梅雀本人が演じているのでしょうか?それとも、CGなのでしょうか?
オープニングの配役紹介では、今回は志道広良(中村梅雀)はクレジットされていないのです。
今回の志道広良(中村梅雀)の扱いについては、どういういきさつがあったのでしょうか?
愕然とする元就に美伊の方は
「力がないゆえ、先が面白いものでございましょう。
力がある者は、後は転がり落ちるばかりにございます」
「命さえあれば、人の世はどう転ぶか分かりませぬ」
この美伊の方の言葉にしろ、先の大内義興の義隆への小言にしろ、易の考えを思わせるものがあります。
東洋の哲学・易経では、陽と陰が循環している、という思想があります。
力のない者が力をつけていき、やがて龍となって空を飛び、しかしその力は衰えていき、全てがなくなってまた最初からやり直し……。
この循環の思想は、十二消長卦(十二消息卦)と言って、1年の季節変化に例えられます。
wikipedia:十二消息卦
十二消息卦 | 易経ネット http://www.ekikyo.net/64ka/12syousokuka.html
十二消息卦に例えると、大内家は、「財も力も必ず衰える時が来る」という、盛りを過ぎて後の世代が小人ばかりという天地否あたりではないでしょうか。
尼子家は、今が盛りの地天泰や雷天大壮。
毛利家は、坤為地や地雷復の時代。
確かにまだ力はありませんが、これから大きくなって先が面白くなる段階です。
しぶとく生き延びれば、やがて衰えを見せる大内家や尼子家を倒す目も出てくるでしょう。
しかしその先はまだまだ遠く、障害がありそうです。
尼子の本陣に到着し、幼い幸松丸と共に目通りする元就。
「今頃やってきて、恥ずかしくないか!」
尼子経久にしてみれば、元就の狩場にまで押しかけて面談して
「手を、組まぬか」と言って、めいの美伊を元就に輿入れさせました。
これは特別扱いのヘッドハンティングのようなものです。
また、桂などの有力家臣も尼子派である毛利家は、真っ先に参加すべき存在だったのでしょう。
ところが周囲の国人領主達が加わる中、最後まで加わらないとは、余程生意気だと思ったのでしょう。
憎き尼子経久!これなら大内に付いた方がましだったか!?
進むも地獄、退くも地獄。
次回はどうなる!?
■[日々の哲学]超訳・易経 天雷无妄から考える
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130718/p1
↑見逃していた・忘れていた重要なシーンを再確認しよう!
名作を見直すことは大切だ。
毛利元就97 過去ログ
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/archive?word=%2A%5B%CC%D3%CD%F8%B8%B5%BD%A297%5D
■[毛利元就97]NHK大河ドラマ『毛利元就』検定〜〜〜〜〜〜!
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130119/p1
夜盗虫の朝寝坊
■[録画鑑賞][『毛利元就』]#13「戦乱の子誕生」
http://d.hatena.ne.jp/yotomusi/20051005/p3
wikipedia:毛利元就 (NHK大河ドラマ)
wikipedia:毛利元就
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