河出文庫版と講談社文庫版の両方を古本屋で購入して所持していました。
中身は同じです。
ちなみに、
講談社文庫版の文字組は43字×20行 283ページ。
河出文庫版の文字組は43字×19行 293ページ。
解説は、巻末に各務三郎さんの4ページ程度。
その半分以上が著者の生没年と各短編の原題と初出データ。
各作品についての解題・解説はありません。
ちょっと味気ない解説です。
もう少し詳しい解説が欲しいところです。
こういうパスティーシュ集を読むような読者は知識欲も豊富なので、蘊蓄のような解説を好むのではないでしょうか。私だけ?
解題
wikipedia:解題
4 コデイン(七パーセント溶液) (Codein-7 Per Cent)
(クリストファー・モーリー)(吉野美耶子訳)
S・ホームズに妹がいた!そしてその妹はあの人物と結婚していた!そしてその娘は太平洋戦争中、スパイとなって活躍していた!
ホームズ原典を利用した暗号作成が見事!
短いながらもホームズ原作からの引用が幾つもされ、読みどころある珠玉の名品!
8 〈引立て役倶楽部〉の不快な事件 (The Unpleasantness at the Stooges Club)
(W・ハイデンフェルト)(高見浩訳)
第1回世界名探偵会議に名探偵が出席して探偵が不在の期間中、〈引立て役倶楽部〉の敷地内で発生した不思議な殺人事件。被害者は何と……!そしてその犯人は……!
名探偵の助手ばかりを集めた〈引立て役倶楽部〉というアイディアが面白い。相方の真似をして色々と議論するのだが……?
数年後、ワトスン博士は犯人から送られてきた手紙で事件の真相を知る。
しかし、第1回世界名探偵会議から帰って来た名探偵達が協力すれば解決したのでは?
それとも、第1回世界名探偵会議はまだ続いているのだろうか?
それとも、第1回世界名探偵会議で事件が発生して名探偵に何かがあったのだろうか?
6 怯える准男爵(The Adventure of the Frightened Baronet)
(オーガスト・ダーレス)(田村源二訳)
超常現象を思わせる不可解な事件もスッキリ解決!
ホームズ物ライバル作品の代表作ソーラー・ポンス物。
ホームズ原典に負けないくらい熱心なファンがいるというだけあって、確かに切れ味鋭い。他の作品も読みたくなってきた。
1 指名手配の男 (The Case of the Man Who Was Wanted)
(アーサー・コナン・ドイル)(アーサー・ホイティカー)(日暮雅通訳)
ドイルの作品だと思われていたが後に別人の作品だと判明したという。
作品のトリックは素晴らしいが、犯人を逮捕しようとする過程が生ぬるい気がします。
有無を言わずに早目にふん縛ってしまったらよかったのに。
(しかしそれじゃお話にならない。安倍が目指す独裁国家じゃないので民主的手続きも必要だし。)
2 珍本「ハムレット」事件(The Unique Hamlet: A Hitherto Unchronicled Adventure of Mr. Sherlock Holmes)
(ヴィンセント・スターリット)(各務三郎訳)
事件後に犯人はどんな気持ちで一晩過ごしたのだろうか。人間関係を思うと哀しい。
「書籍収集家は変わり者ぞろい」
確かにそうです!
3 狙われた男(The Adventure of the Marked Man)
(スチュアート・パーマー)(大村美根子訳)
粋な男・ホームズの大岡裁き!
5 消えた貴婦人(The Case of Missing Lady)
(アガサ・クリスティー)(深町眞理子訳)
あのクリスティーの作品。しかし結末は期待外れの感あり。(そう思うのは私だけでしょうか?)
7 テルト最大の偉人 (The Greatest Tertian)
(アンソニイ・バウチャー)(伊藤典夫訳)
火星人が地球を侵略して地球人が滅亡後、火星人がかつて地球に存在していたシェルク・オムスという人物について記述した事項という形を取っている。
趣向は面白いのですが、少々難しくて理解しづらい。
特に、名前の表記は「シェルク・オムス」と「シェルク・スペル」の2種類あって、この二人は別人という説もある、というくだりがあります。
よく分からないのですが、シャーロック・ホームズとシェイクスピアを混同しているということなのでしょうか。文脈では何とか想像がつくのですが、はっきりとは分かりません。
他の作品もそうなのですが、この作品については特に、詳しい解説がほしいものです。
9 名探偵誕生 (A Double-Barrelled Detective Story)
(マーク・トウェイン)(山本光伸訳)
本書に収録された作品の中で最も長い作品。
作者が作者だけに非常に期待したのですが、期待外れ。
色々な人物が登場する、グダグダした展開の物語です。
最初、名探偵を思わせる人物が登場して、彼が後にホームズに成長するのかと思って読んでいたら、最後の方で本物のシャーロック・ホームズが登場します。
しかもこのホームズ、原典を冒涜するかのような盆暗に描かれています。
ちょっとこれはないで。
【クリストファー・モーリー】
https://kotobank.jp/word/クリストファー%20モーリー-1634102
http://ameqlist.com/sfm/morley.htm
https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1302.html
↑Baker Street Irregulars の設立メンバーということです。
晴読雨読ときどき韓国語
『幽霊書店』(クリストファー・モーリー著、林清俊訳、青空文庫)
https://nishina.exblog.jp/12429396/
【W・ハイデンフェルト】
http://ameqlist.com/sfh/heidenf.htm
【オーガスト・ダーレス】
wikipedia:オーガスト・ダーレス
ホームズ・パスティーシュの代表的シリーズ ソーラー・ポンズ
https://www.aga-search.com/detective/solar_pons/
wikipedia:指名手配の男
BBS In-Depth:「求むる男」は正典か? http://221b.cafe.coocan.jp/bbs02.html
人望厚いミステリ評論家 アントニー・バウチャー
https://www.aga-search.com/writer/anthony_boucher/
http://ameqlist.com/sfb/boucher.htm
本の虫、中毒日記
大はずれ探偵小説/マーク・トウェイン(シャーロック・ホームズの災難 上)
http://tontonme.blog85.fc2.com/blog-entry-416.html
ホームズ贋作展覧会 - 各務三郎編 https://www.aga-search.com/holmes/10.shtml
贋作ホームズ特集 https://www.aga-search.com/holmes/
にっぽんのおっさん
シャーロック・ホームズの贋作
http://4dpocket120.blog120.fc2.com/blog-entry-89.html
105円の本棚改め108円の本棚
ホームズ贋作展覧会(編:各務三郎)
http://105ennohondana.blog58.fc2.com/blog-entry-182.html
ナチュラルでスキャンダルなランス
文庫版ホームズ・パスティーシュ
https://ameblo.jp/marukoto00-04/entry-12446260812.html
シャーロック・ホームズの災難続き https://allabout.co.jp/gm/gc/210164/
アトリエ平田工房
ハドスン夫人の家――シャーロック・ホームズの部屋
日本語で読めるホームズのパスティッシュ・パロディ
http://www.hirata-koubou.com/holmes/parody/parody.html
日本語で読めるホームズ
パロディ&パスティーシュリスト(短編集収録作品リスト)
http://www.din.or.jp/~takarasi/shp/shplst.htm
ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4309460631
https://booklog.jp/item/1/4061372459
https://booklog.jp/item/1/B000J86WOQ
読書メーター
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文庫本の巻末の解説は充実している方がいいと思いますか?
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過去の作品を編集してアンソロジーを発売する場合、解説を付けてほしいと思いますか?
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