貞盛(山口崇)は領地の住民宅を渡り歩いてそれなりに楽しく生き抜いていた。
もともと女性人気があったとはいえ、ある程度の善政をしていないとここまではしてもらえませんで。
貞盛もそれなりに善政を行っていて民から慕われていたということなのでしょうか。
歴史物語上は一般的に悪役として語られることが多い吉良上野介や明智光秀も地元では善政を行って慕われていたといいいます。
それと同じようなことなのでしょうか。
しかし小督(多岐川裕美)に見つかって説得される。
小督が一人で馬に乗って貞盛を探し回るという図式もすごい。
まるで巴御前だ。当時の武家の妻はこんな豪傑だったのでしょうか。
(そういえばNHK大河ドラマ第44作『義経』(2005年)には、浮気を疑われた木曽義仲(小澤征悦)が巴(小池栄子)に追いかけられているシーンがなかったですか?)
田原藤太(露口茂)を訪ねる貞盛。
藤太は貞盛を捕えて将門に差し出すつもりであったが、接待役の女性の裏切りにより貞盛は逃亡。
もしこの時、藤太の当初の意図通りに進んでいたらその後の歴史は大きく変わっていたでしょう。
女にモテるというのはそれだけで人生や歴史を変える武器になるのです。
まあ私には絶対に達することができない境地なのですが。
“女にモテない人間(オトコ)に仕事ができるか?”
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180507/p1
藤太が将門(加藤剛)を訪ねると将門は不在。
興世王(米倉斉加年)達が将門の留守をいいことに藤太をいじめていると将門が帰宅。
喜劇的なエピソードなのですが、よく考えると政権内の不一致を表すエピソードです。
内部はバラバラで政権の体をなしていないとも言えます。
よく言えば自由なのですが、こんな状態で政権を維持していくことができるのでしょうか。
こんなことがないように普段からよく話し合ってコンセンサスを取っておくことが必要なのではないでしょうか。
織田信長のようなワンマン独裁も困りものですが、将門のような放任タイプも不都合がありそう。とかく組織運営とは難しい。
将門は藤太を歓迎。
藤太は若い頃に民人のために役人を殺して逮捕された経験を「無益なことをした」と説明する。
私は逮捕されても民人は助けに来てくれなかった、何も変わらなかった、逮捕されている間に両親が死んでいた、などとつらつらと話した後、「自分のことばかり話してしまった。」と将門を促す。
折角の説得の機会なのに将門は農業のことばかり話したようです。
会話に関しては私もマイペースで自分の話したいことばかり話す傾向があります。
過去その悪癖のせいで色々失敗したように思います。
その失敗の経験から言えることなのですが、将門はマイペース過ぎたのではないでしょうか。
折角藤太がヒントになる話題を話してくれたのだから、そのテーマについて深掘りし、説得していくべきだったのではないでしょうか。
民人を信じない藤太に「民人を信じています」と言うのなら、その根拠を熱く語ってほしかった。
藤太は将門について「良い男だ」と思ったようです。しかし「争いに勝ち抜けていけるのだろうか」と不安にも思ったようです。
将門は藤太の話した内容や表情や態度からこれらの点を察知し、その不安感を払しょくするような説明や将来展望を語り、説得し、外交関係を築くべきだったのです。
……と、失敗だらけの私が失敗の経験からこう思いました。
後からなら何とでも言えますね。
似たような事態の時にどう対処できるかが問題です。
「わしは民人に愛されているか」
「殿は厳しいお方ですから」
この会話だけで将門と藤太の違いが分かります。
ただ、藤太は将門を嫌うとか見下すのではなく、羨ましがっているような気配も感じられます。
一方、こちらは備前国。
あの憎たらかしい藤原子高(入川保則)もついに悪運が尽きたようです。
家人が藤原純友(緒形拳)の部下に入れ替わっていた!子高は捕えられ、耳と鼻を削がれる。
くらげ丸(清水紘治)と鮫(丹古母鬼馬二)の2ショットが怖い!
藤原恒利(今福正雄)と千載(五十嵐淳子)が訪ねて来る。
恒利は千載と純友の縁組みを望むが、純友は断る。
モテる男はつらいですねえ。あちらを立てればこちらが立たず。
恒利からしてみれば、娘の恋も叶えてやりたいだろうし、純友と縁続きになれば自分のその後の地位も良くなるだろうし。
その思惑が潰えて愕然としたでしょう。
とかく組織の運営とは難しいものですね。
大浦秀成(中丸忠雄)とくらげ丸(清水紘治)は、恒利が二股をかけているのでは、と忠告。
純友は情報を得るためだ、となだめる。
二股をかける人間はいざとなれば勝ち馬に乗れるから得ですねえ。
やはり人脈が一番大事なのです。
将門は田原藤太との関係に躓き、純友は藤原恒利との関係に問題が。
組織を維持していくことは大変なんですね。
人間関係も難しい。
素朴で天然自然体の将門に対して田原藤太は慎重で理詰めです。
若い頃の行動を何度も後悔して反省して到達した境地なのでしょう。
一番自分が懸念して話したい事を少し話した後、
「今度は小次郎殿の話も聞かねば」
と将門に下駄を預ける。
人間関係にはこういう慎重な姿勢が重要ではないでしょうか。
そして将門は空気を読んで的確に対処するべきだったのです。
「藤太殿の話をもっとよく聞かねば」
という姿勢が必要だったのです。
会話とは自分の話したい事を話すのではなく、相手が話したいことを聞く、相手が聞きたいことを話す、ということが必要なのです。
将門は藤太との関係を個人間の関係でしか考えていないように思います。
しかし坂東独立を宣言した以上、外交・軍事関係の交渉が必要なケースなのです。
藤太は将門個人は気に入ったようですが、共に行動して大丈夫かと不安に思っているようです。
偉そうなこと書いてますが、私も過去色々と人間関係で失敗して反省した上での感想です。
今後その反省を生かしていければいいのですが。
それはともかく残りあと2回!苦しい展開で観るのが辛いところですが、将門と共に駆け抜けたいと思います。
- 作者:海音寺 潮五郎
- メディア: 文庫
雑記帳
大河ドラマ『風と雲と虹と』第50回「藤太と将門」
https://sicambre.at.webry.info/201006/article_20.html
戦国放題 こたつ城
「風と雲と虹と」8(47~52)
http://kotatu.jp/hyo/sakuhin/masakadozakki/47-52.htm
14風と雲と虹と76 過去ログ
『麒麟がくる』で考える社会と人生
毛利元就 過去ログ
新選組! 過去ログ
平清盛 過去ログ
wikipedia:風と雲と虹と
#平将門 #風と雲と虹と
ツタヤ
NHK大河ドラマ『平将門』『藤原純友』
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