OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

第3回 源氏の御曹司 (1/23)〜滝壷に飛び込んで変身!

 五足(北村有起哉)達と町をぶらつく牛若(神木隆之介)。
 前回、五足とけんかになりかけたのだが、その後仲良くなったのだろうか。
 平清盛(渡哲也)を悪く言う五足と、それを否定する牛若。
 孤児でボロをまとっている五足と、いい服を着ている牛若。
 よく考えれば、この二人が仲間でいるのは不自然な気がする。
   ◇ ◆ ◇
「あの牛若をこのまま放っておくのはいかがかと」
と清盛に進言する平重盛勝村政信)。
 平家の名宰相・重盛、平家の勢力を守るために大活躍である。
 この重盛が義経や頼朝ら源氏復興の大きな壁になるであろう。
   ◇ ◆ ◇
 そして義経鞍馬寺に入れられる。
 父と思っていた清盛が実は父の敵で、兄弟同然に育った清盛の子らとやがて敵となって戦う、という設定は、確かにドラマチックで面白い。
 しかし、史実としてはどうだろうか。源平合戦についてはよく知らないのだが、こういう設定は初めて知った。
 ひょっとするとこの設定は今回の『義経』のオリジナルな斬新だろうか。
 しかし私の知っている範囲では、良きにつけ悪しきにつけあまり話題になっていないような気がする。
(↓↓↓)
新選組!』では、放送第一回で近藤勇香取慎吾)が坂本龍馬江口洋介)や桂小五郎石黒賢)らと黒船を見に行き、「史実と違う」と批判されていた。
 義経と清盛の子が一緒に育ったというのも、これと同じくらい斬新な設定だと思うのだが。
 最近忙しく週刊誌の立ち読みもブログ巡りもできていないので、私が見逃しているだけかも知れないが。
 ともかく、歴史ドラマが史実と違うことよりも、歴史ドラマを真実と思って信じてしまう態度の方がおかしいのではないか。
   ◇ ◆ ◇
 後白河法皇(平幹次郎)初登場シーンは、蹴鞠をしているシーンだった。
 御簾の中に座って動かないシーンが多くなると思っていたが、動いていたとは驚いた。
 しかし今回は、意外とすっきりした演技だった。
『信長』加納随天では、初登場シーンの時から怪し気な雰囲気を放ち、終盤では鬼気迫る演技を見せた平幹次郎。
 このままでは普通の演技なので、もっと怪しさを出してほしい。
 また、こちらも初登場の鬼一法眼(美輪明宏)。この人は、生きている人間なのだろうか。夢の中に出てきたり、出たり消えたりとややこしい演出をする。
   ◇ ◆ ◇
 鞍馬寺の僧・覚日律師(塩見三省)は渋くていい演技だと思う。
 そこに現れた、金売り吉次(市川左團次)と新宮十郎行家大杉漣)。
 覚日律師の前で二人は牛若改め遮那王に、源氏の御曹司だと告げる。
 平家支配の世の中で、こんな大事なことを牛若に話すことを許しているということは、覚日律師も源氏方だということではないか。
 清盛は牛若を遠ざける為に寺に入れたのだが、源氏方の寺に入れたことになる。平家方としてみれば、逆効果だったわけだ。
 現在手元にある子ども向け『義経記』には、鞍馬寺義経の父源義朝とつながりのある寺であり、常盤御前の願いで義経鞍馬寺に入れた、と書かれています。

 ところで、金売り吉次といえば、『炎立つ』で西村晃が演じていたのを思い出す。
炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫) 炎立つ 弐 燃える北天 (講談社文庫) 炎立つ 参 空への炎 (講談社文庫)
1051年 前九年の役炎立つ 第一部)
1083年 後三年の役炎立つ 第二部)
1156年 保元の乱
1159年 平治の乱 (以降、『義経』の時代)
1167年 平清盛太政大臣になる
1185年 壇の浦の合戦
1189年 源義経死去(炎立つ 第三部)
炎立つ 四 冥き稲妻 (講談社文庫) 炎立つ 伍 光彩楽土 (講談社文庫) 「炎立つ」をたっぷり楽しむ法

 金売り吉次は代々同じ名を襲名すると聞く。今回の吉次は、西村吉次の子孫に当たるのか。
   ◇ ◆ ◇
 父と思っていた清盛が実は父の敵と知った遮那王。外に彷徨い、滝に飛び込むと、出てきた時に成長していた。
 その間、自分の生い立ちについてどう悩んで成長していったのか、もう少し詳しく描いてほしかった。
 あと1〜2回、役者交代を遅らしても良かったのでは?

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NHK大河ドラマ義経』を脇役中心に観ていくレポート 目次
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20050114

新選組!』をもっと楽しく観よう会 目次
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041115