現在朝日新聞で連載中の川上弘美「七夜物語」が面白い。
新聞の連載小説を読むのは本当に久しぶりで、今までも数えるほどしか読んだことない。
今回の連載は、連載前の紹介記事を読んで興味をひかれて試しに読み始めたのだが、そのまま読み続けることになった。
「子供は希望のある存在」 新連載小説の川上弘美さん
http://book.asahi.com/clip/TKY200909050065.html
本が好きな小学4年生の女の子・さよが主人公。小学4年生が主人公の新聞連載小説は珍しいのではないか。
内容を読んでみると、子どもでも読みやすい内容である。いわゆる児童文学とでもいうべき内容で、図書館の児童書コーナーに置いてあったり、学研や小学館から出ていた学年別雑誌に載っていても違和感ない物語である。
主人公やその友人の男の子は本が好きで、児童文学に関する話題が出てきたり、児童文学に出てくるようなシチュエーションも頻出する。
私自身、本が好きな子どもだったので、本や児童文学が身近にあった子ども時代を思い出すようで懐かしい。
主人公のさよは本が好きな女の子だが、本が好きではない同年代の子とも付き合える社交性もある。
一方、その相方となる男の子・仄田(ほのだ)くんは要領が悪く不器用で仲間外れ気味。
いわば頼りないボーイフレンドをお供に連れた現代の不思議の国のアリスの冒険なのである。
しかしこの物語、ストーリーだけでなく登場人物も古典的児童名作文学のようで、どこか現代離れした古典的雰囲気を持っている。
さよと知り合う、口笛部員を名乗る夜間中学に通う男女カップルもプラトニックで純な雰囲気を漂わせている。
今時こんな光景、いいなと思っていたら、どうやらこれは1977年を舞台にした物語らしい。
さよは7つの冒険をするということで、現在は1つの冒険を終えて帰ってきたところ。
第一夜の冒険を終えたさよが、元の世界での時間経過が気になって新聞の日付けを確認すると、1977年7月11日とあった。昭和50年代を舞台にしたニアレトロな児童文学作品だったのだ。
……ということは、私とさよ&灰田くんは年代が非常に近いということだ。
さよ&灰田くんは現在、どんな大人になってるんだろうか。
7つの冒険は始まったばかりである。たっぷりと読みたいね。連載期間が延長してもいいので、十分に描いてほしい。
【思い出の新聞連載小説】
朝のガスパール (新潮文庫)
電脳筒井線―朝のガスパール・セッション
これを読んでた頃、私はまだパソコンもワープロも持っていなくて、パソコン通信って何?の状態だった。
東京発 千夜一夜〈上〉 (朝日文芸文庫)
東京発 千夜一夜〈下〉 (朝日文芸文庫)
一話完結の新聞小説。後半、シリーズ化する設定も出てきた。連載そのものがスリリング。
霧の密約
緊迫した手に汗握る展開。就職の関係で後半部分が読めなかった。
こんな小説が新聞連載されてたとは贅沢。
短期間だけ購読していた新聞に偶然連載されていた。あの時期でなければ読めなかった。これも偶然の出会いだなあ。
何と映画化されたという。
映画『アンダンテ 〜稲の旋律〜』公式ホームページ http://www.ggvp.net/andante/
……以上、私にとって新聞連載小説はほとんど縁のない存在でした。
しかし今回の「七夜物語」は楽しめるぞっ!
ありゃま商会 の回覧板
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http://yorodzu.seesaa.net/article/137123592.html
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