- 作者: 加治木義博
- 出版社/メーカー: ロングセラーズ
- 発売日: 2004/12/01
- メディア: 単行本
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著者の加治木義博さんは1923年生まれ。80歳を越えている。
それでも心身共に健康で毎日忙しく知的な創造的生活を送っているという。
本書はその健康法について書くことを目的としている。
では、肩書きとして「歴史言語学者」を名乗るこの著者とは一体何者か?
本書の前半では、著者の子どもの頃からの実績や業績が回顧されている。
少年時代にはウェルズの「生命の科学」*1で自然科学の原理を学ぶ。昆虫が好きで昆虫採集が縁で人脈を広げ、カブトムシの増産法を考案して農家の人を指導し、デパートで売ることを始める。12歳で実業家となったのである。
その他、百貨店でサボテンを売るなど、様々なアイディア事業や特許により実業で成功。
一方、考古学や歴史にも才能を開花。13歳の時に奈良の古墳群を見ていて直線に並んでいることに気付き、地図で確認したところ、古墳間の距離がメートル法で区切りのよい間隔になっていることを発見。レイラインの発見である。
思わぬ人物との関わりも披露。
昆虫採集人脈では、少年時代の手塚治虫がオサムシ採集を手伝ってくれていた。手塚治虫のペンネームもその経験から来ているとか。
鹿児島にできた観光施設を指導することになり、「コスモ・ゾーン」と名付けた。昔馴染みの手塚治虫君が「愛のコスモ・ゾーン」を書いてくれたのでその名がポピュラーになったとか。
これはすごいトリビアだ。手塚治虫方面の研究からこの事実は確認できるのだろうか。
wikipedia:火の鳥2772
事実は小説より奇なりというが、まさにそれを地でゆく記述が次から次へ。学問(文系から理系まで)から実業まで幅広くてとどまるところを知らない。
ほら吹き男爵の冒険だとかフォレスト・ガンプだとか、ほら物語の系譜というのがあるが、本書は著者が実際に経験した実体験である。固有名詞やら歴史的事実らが明示されている。いちいち確認して裏をとることはしないが、まさかそんなすぐ分かる嘘は書いていないだろう。ほんま、著者はすごいお方だ。
一方、著者はノストラダムス研究者であり、神戸・淡路大震災を1年以上前に予言していた!
……こんなことを書くとたちまち胡散臭くなってしまう。いや、私はトンデモ系は好きだけど。
実は私も最初はノストラダムス予言の本を書いて阪神淡路大震災を予言していた、と言ってるトンデモ系の方が書いた脳の本なんて、一体どんなもんかと怖いもの見たさで読むことにしたのである。
ところが実際に読んで著者の業績を順を追って知っていくにつれ、ただ単にノストラダムス予言や地震予言だけのトンデモ系だけの方ではなく、文系から理系まで幅広い学問的基礎も実績もあり(軍属時代には仁科芳雄教授から直接教わっていた)、特許取得や実業で実績もあげているすごい方なのだと分かった。
東のドクター中松、西の加治木義博、といったところか。
それで阪神淡路大震災については、117の日に起こることまで予測して、地震の半年前に出版された
「 「真説」黙示録の大予言 (ムックセレクト) 」
で書いているということなので、可能ならば確認してみたい。
地震を予知する機械も発明され、
「 次の大地震 衝撃の「完全予知」法―各県別・時期、場所、地震の規模まで危険度を厳密判定 (ムックセレクト) 」
で発表して大評判になったが
「学者を自称する連中の誹謗に腹が立って、公開することはやめました」
とある。
一体どういうことなのか。この本についても調査してみたい。
そんなこんなで、読み物としては非常に面白くて小説より面白いくらいなのだが、肝心の脳や身体の健康法についてはあまり実用的な記述はない。
確かに著者の健康習慣について書かれているが、個人差があり最終的には自分で実験して判断しなければならない、と書かれている。
そして著者が高齢でも健康でいられる決定的な2つの秘密は、「痛度計」と「奇跡の薬草」だという。
「痛度計」は、サボテンに電極をつけて会話する研究から生まれたもの。「不老長寿の秘密兵器」とでもいうべき大発明であり、人類の幸福に寄与できる発明。厚生省に手続きをとったところ、医師団の利益に反するようで、出願を取り下げるようにという回答が来たとか。
ガイアックスの事例を思い起こさせる出来事ではないだろうか。
人類の発展は意外とこのような、旧体制によって阻害されているのではないだろうか。
もう一つの秘密、薬草による健康法については
「 驚異の「バイオ植物」療法―薬を使わず、食べるだけで治る! (ロングライフセレクション) 」
で記されているという。これもぜひ調査しておきたい。
強力な魅力を発する加治木義博ワールド。取り込まれそうだ。危ない危ない。
加治木義博公式サイト http://www.pkn.jp/kajiki/
wikipedia:加治木義博
ウワイト(倭人)ウバイド
http://matmkanehara-momo.blogspot.com/
歴史徒然:日本の誕生・日本語のルーツ・ウバイド・ウワイト・遷都
http://blogs.yahoo.co.jp/matmkanehara
ドクター中松とノストラダムス
http://222.146.204.251/~mame/doc/nakamatsu/nostradamus.html
ノストラダムスの大事典 加治木義博
http://www42.atwiki.jp/nostradamus/pages/366.html
加治木義博氏の『真説ノストラダムスの大予言』シリーズへのツッコミ
http://www.geocities.jp/nostradamuszakkicho/kajiki/kajiki.htm
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*1:The Science of Life (1930) 『生命の科学』 - 生物学や進化論についての本。ジュリアン・ハクスリー、ジョージ・フィリップ・ウェルズとの共著 ウィキペディアより