OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

向こうの山に登ったら

 7月21日朝日新聞の家庭面の投書コーナー「ひととき」に
「お父さん、詩人だね」
という71歳の主婦という方の投書が掲載されていました。
 
 あまり話が上手とは言えない夫が、小学校低学年の頃、山に登って景色を眺めた思い出を語ってくれたという話。
  
「その景色は、習ったばかりの国語の教科書に出てくる詩の一節と全く同じであることに気づき、子ども心に深い感動を覚えたという。」
   
 むこうの山にのぼったら
 山のむこうは村だった
 たんぼのつづく村だった
 つづくたんぼのそのさきは
 ひろいひろいうみだった
 青い青いうみだった
     
「まだ続きはあるが、これくらいにしておこう」
    
「お父さん、すごいね……」
「話し上手とは言えなくとも、あなたは詩人だ」と心から言ってあげたい気持ちになった。

   
……と書かれています。
 夫はすごい詩人だね、と書かれていますが、この方もすごい文人ですね。
 この投書全部が文章読本のお手本としたいくらいの名文です。
 ここまでの文章はなかなか書けないもんです。
  
 ところで、ここで紹介されている詩もいいですね。
 しかし私はいままで読んだことありません。
 こんな名作が埋もれていたのか、果たしてこの詩は何なのか、と検索してみました。
   
花と詩と音楽と
 小学国語読本 巻二 「山ノ上」
  http://homepage3.nifty.com/TAD/memo/school%20text.html
国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記
 心のふるさと(2)ー山ノ上
  http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-6db5.html
さんたろう日記
 遙かに遠い夢の詩
  http://blog.goo.ne.jp/sekinonozii/e/cbedc49aa0268be310c3af145a221a8f
  
 昭和16年に制定された国語教科書の冒頭に掲載されていた詩のようです。
  
多くの幼い子供に夢を与えたであろうこの詩の作者は、今となっては全く判らないと思う。私が密かに想像するところ、この作者は大正デモクラシー時代の童謡文学に影響を受けた、当時新進気鋭の若い文学者または教育者であったのではないだろうか。(花と詩と音楽と)
  
  
 教科書用に作られた詩で、今となっては作者が分からないようです。
  
 こういった名前が残らない人々によって素晴らしい教科書が作られ、人も教育され、日本人の底力となっていったんでしょう。
  
 それにしても、日本の国土とは、本当に豊かなものですね。
 八百万の神が宿る母なる大地です。
  
 このような豊かな国土こそ継承していかなければなりません。
  
 原子力発電はこの豊かな国土を破壊し、人の住めない土地・廃墟にしてしまいます。
  
  
 向こうの山に
 登ったら
 山の向こうは
 原発だった
  
 続く原発
 その先は
 広い 広い
 海だった
  
 津波で流れた大きな瓦礫が
 二つ 三つ
 青い海に
 浮いていた
 遠くの方に
 浮いていた。

  
 こんなことにしてはいけませんね。
 


  
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