内部被曝からいのちを守る なぜいま内部被曝問題研究会を結成したのか
内部被曝とは、放射性物質を体内に取り込むことにより、体内で被曝すること。放射線が遺伝子を傷つけるので人体への影響は大きい。
wikipedia:被曝
福島原発事故後、内部被曝についてはタブー視されている感があります。
本書によると、広島・長崎での原爆でも、内部被曝については隠蔽されたといいます。
「背景には、『核兵器は破壊力はあるが、放射線で長期にわたり苦しめるものではない』としたい米の核戦略があった」
「アメリカは
「核兵器は通常兵器と同じ。放射線で長期にわたり命を脅かすことは無い」
という核兵器の虚像を描くために、内部被曝を隠ぺいする
(被爆地から放射性の埃が無いことにし、内部被曝を「生じようがないもの」にしました)
という核戦略が強行されました。」
そのため、広島では、床上1メートルの大洪水の後に、長崎では1300ミリの豪雨の後に放射線測定をして
「放射性の埃はこれだけしかなかった」
ということにされました。
本書を読めば、広島・長崎原爆での放射線被曝線量の公式研究は、支離滅裂でいい加減なものだと分かります。
このように、公正である医学データ・研究も大きな権力によって捻じ曲げられることがあるのです。
そしてそれは今現在まで続いており、現在進行形であり、今後も続いていくのでしょう。
「ECRRは、チェルノブイリの影響を世界中で疫学調査をした結果、平均値として「内部被曝の実効線量は外部被曝の600倍」としています。内部被曝の特性を考慮すると妥当な大きさです」
「内部被曝を切り捨てる政府を支える学者ICRP論者が外部被曝の3%等と言っているのはとんでもない過小評価です」
内部被曝の怖さが分かる事件としてラジウムガール事件というのがあります。
夜光時計の文字盤にラジウムを塗る時、筆先をなめて整えていたら、口の周りが内部被曝でひどいことになったという。
医療被曝でがんになる、などと風評被害をまき散らしている近藤誠という医師がいます。
この方の文章を読むと、内部被曝に関しては過小評価しているようです。
原子力ムラの曽野綾子と野垂れ死にを推奨する共著があるところを見ると、ICRP論者なのでしょうか。
内部被曝への疑惑の目を医療被曝に向けるための工作員として、原子力ムラにとって都合の良い言動をしていると思います。
■[健康]CT検査で数十年後にがんになる確率が少しだけ高くなる
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140531/p1
■[健康]CT検査で数十年後にがんになる確率が少しだけ高くなる(2)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140601/p1
■[健康]受ける?受けない?エックス線CT検査―医療被ばくのリスク
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150104/p1
wikipedia:国際放射線防護委員会 (ICRPから転送)
wikipedia:欧州放射線リスク委員会 (ECRR)
wikipedia:国際原子力機関 (IAEAから転送)
なお、医療被曝と発がんの関係についての研究では、広島・長崎での原爆被爆から計算して推測する、ということが行われます。
しかし上で見たように、広島・長崎での観測がそもそも当てにならないものです。
本書では、澤田昭二先生の以下の記述があります。
「内部被曝の障害の仕組みが外部被曝と異なるのでX線やCTスキャンによる被曝と比較することは適当でない。さらに、X線やCTスキャンは病気の危険を減ずることの兼ね合いで覚悟して浴びるもので、こうしたことを無視した比較は二重に不適当である。」
さて、本書は“市民と科学者の内部被曝問題研究会(内部被曝問題研)”のメンバーが分担して執筆しています。
錚々たるメンバーが大集合です。
しかし、内部被曝問題研のその後は活動が失速し、本書の出版が最大の成果でありピークだったのではないでしょうか。
そういう事実を見ていると、財力も権力もない科学者や市民がまとまって活動していくことの難しさを実感します。
やはり、財力も権力もある原子力ムラなりカルト宗教団体なりがスポンサーとなって世論を誘導・操作していく方式が効率良いのです。だからこの世の現実は、財力も権力もある原子力ムラなりカルト宗教団体なりのやりたい放題の天下となっているのです。
民主主義とはいっても、やはり財力や権力を持つ者が有利なのです。
科学的研究とはいっても、スポンサーの意向によって捻じ曲げられることもあるのです。
そういう風潮に一矢報いるためにも、我々一般市民は勉強していかなければなりません。
知は力です。御用学者に騙されない知識と思考力が必要です。
「信頼できる放射線の専門家がほとんど前に出てこないうちに、政府の「放射能は怖くないキャンペーン」が高まっていく」
「原発は安全だと騙された国民・住民が、今度は放射線は大して危険ではないと騙されようとしている。この状態を覆したいと、肥田舜太郎さんをはじめ、内部被曝の脅威を解き明かしてこられた方と出会い、歩んできました今こそ市民の手に科学を取り戻して自立すべきときです。そのためにともに尽力し、明るい未来を切り拓きましょう!」(守田敏也・ジャーナリスト)
出版社紹介ページ http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/733
市民と科学者の内部被曝問題研究会(内部被曝問題研) http://www.acsir.org/
市民と科学者の内部被曝問題研究会 ブログ http://blog.acsir.org/
市民と科学者の内部被曝問題研究会 北関東甲信越支部
https://www.facebook.com/ACSIRkks/
原発推進派の「放射脳」がまき散らす「内部被曝は特別視する必要がない」という都市伝説
http://blogos.com/article/31413/
みんな楽しくHappy♡がいい♪
沢田昭二氏「放射線内部被曝研究の現状と課題」
市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1821.html
Peace Philosophy Centre
沢田昭二『放射線による内部被曝』−福島原発事故に関連して
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2011/04/blog-post_20.html
ブクログ http://booklog.jp/item/1/4845112558
読書ログ http://www.dokusho-log.com/b/4845112558/
読書メーター http://bookmeter.com/b/4845112558
■[学問]知っておきたい放射能の基礎知識 考え、議論するために
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20110907/p1
■[健康]内部被曝時代に必須の初歩的栄養学
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20111114/p1
■[学問]図説 基礎からわかる 被曝医療ガイド
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20111216/p1
世界を騙しつづける原発御用科学者たち
■[日々の哲学]低線量・内部被曝の危険性 世界はこうしてダ・マ・サ・レ・た!
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20120108/p1
■[健康][経済]日本の医療制度の「既得権益」で守られているのは、一般の国民なのです。
沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉堤未果
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150913/p1
■[日々の哲学]最も悪質なニセ科学 原発事故で考える
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20111108/p1
【アンケート実施中です!】
オーウェル『1984年』を読んだことありますか?
また、日本がオーウェル的世界に近付いていると思いますか?
http://blog.with2.net/vote/v/?m=v&id=150684
古本屋では本のオビを付けたままで本を販売してほしいと思いますか?
http://blog.with2.net/vote/v/?m=v&id=146600
↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m
↓また、ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
コメントやリンク付きTBもお待ちしております。m(_ _)m