サウンド文学館●パルナス46
ステレオドラマ 山岡荘八『徳川家康』ー人質流転の巻
サウンド文学館●パルナス47
ステレオドラマ 山岡荘八『徳川家康』ー決断、三方ヶ原
【出演】
徳川家康 有川博
松平広忠・武田信玄 内山森彦
華陽院 山本嘉子
本多平八郎 石田圭祐
大久保忠世 広瀬昌亮
本多作左衛門 長沢大
榊原小平太・武田勝頼 安藤一夫
本多の後家 長坂しほり
お愛 平沢とも子
織田信長・夏目正吉 中丸新将
今川義元 上田忠好
奥山伝心 飯田浩幾
滝川一益 蔵一彦
語り 小林勝也
脚色／杉昌英 音楽／梶本芳孝
技術／NHKサービスセンター音楽ライブラリー
効果／NHKサービスセンター音響効果部
演出／伊藤豊英
山岡荘八の『徳川家康』は26巻に及ぶ大長編です。
ウィキペディアには「「世界最長の小説」として認定されていたことがある」という記述があります。
そんな大長編全部を２時間のサウンドドラマにするのは大変です。
よって膨大な作品の中から重要な部分のみを取り出してじっくり描いています。
「人質流転の巻」では、竹千代が幼少時代に織田信長と出会うシーンと桶狭間の戦いが描かれます。
「決断、三方ヶ原」では、三方ヶ原の戦いをたっぷりと描かれています。
どちらも登場する人物が強烈にキャラ立ちしていて存在感バッチリです。
例えば幼少時に竹千代が今川家で人質になっている時代の新年会のシーンがあります。
そこに息子・信玄から追い出されて居候している武田信虎が一瞬だけ登場するのですが、無礼な竹千代をフォローしてくれてなかなかの存在感です。
三方ヶ原の合戦の夏目庄吉も有能で、このような家臣達に助けられたからこそ家康が生き延びて天下を取ったのだと分かります。
中でも本多平八郎が一番強烈です。
また、ヒロインともいえる存在のお愛（家康の側室、秀忠・忠吉の生母）の存在感も格別で、独特のオーラを放っています。
このお愛を演じた平沢とも子さんは大御所かと思ってを検索したのですがよく分かりません。98年参議院選に出馬して落選した女優さんの著書が出て来るのですが、この方なんでしょうか？
……と、原作も優れていてそれをうまく脚色していて、なかなかの歴史スペクタクルでした。このスタッフと声優陣で原作を完全オーディオドラマ化したら聞きたいと思えるくらいです。
原作は膨大な長編なので全部読むのは大変ですが、興味ある部分を拾い読みするのもいいと思いました。
本作は1983年にNHK大河ドラマ第21作となっているようです。
ウィキペディアには
「原作が大作であり、数多くのエピソードが盛り込まれており、ドラマ展開がスピーディー過ぎてひとつひとつのエピソードが希薄な印象になりがちであった」
「「初回から総集編を見せられているようだ」「もっとじっくりとした描き方を望む」との意見が新聞紙上に寄せられたこともある」
という記述があります。
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