OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

火の鳥 2・未来編

火の鳥 未来編
 火の鳥 2・未来編 火の鳥 2・未来編 

 遠い未来、人類が核戦争で滅亡する物語。
 どうせ滅亡するのは最後だろうと思っていたら、早々に滅亡してしまって、後は人類滅亡後の描写が延々と続きます。
 人類のエピローグのような物語だと思っていたら、プロローグに戻ってしまうという。
 10冊以上に及ぶ長編マンガの2冊目でこんな驚きの構成をネタバラシしてしまう手塚治虫とは偉大な作家です。
火の鳥』の他の物語は「黎明編」と「未来編」の間の物語となるんですよね。
 もう既に結末が描かれてしまった物語、一体どのように進展してどのように結末に進んでいくのでしょうか。
  
 ところで、山之辺マサトは地下都市・ヤマトを脱出して地上を歩いて「レングード」に向かうという設定になっています。
 しかし地図を見ると、「レングード」より明らかに「ピンキング」の方が近い。
というか、レングードに行く途中にピンキングがあるではないですか。
 一体、何で遠いレングードを目指したのでしょうか。
 それに何より、いくら海が干上がっているとはいっても、徒歩で北京やレニングラードに行くのはいくら何でも無理ではないでしょうか。
  
 ところで『火の鳥』では、猿田彦の子孫が共通して登場することになっているようです。
火の鳥』は元来、クマソの国の火山付近に住んでいる鳥。
 クマソにルーツを持ち火の鳥の巣近くで長年暮らしたヒナクの子孫ではなく、クマソを侵略した邪馬台国の将軍・猿田彦の子孫が火の鳥と腐れ縁で結ばれたというのも面白い。
 そしてもう既に指摘されていることかと思われますが、山之辺マサトはヒナクやその子・タケルの子孫ではないでしょうか。
 山之辺マサトは火の鳥や猿田博士と深い縁があるからこそ、あのような壮絶な体験をする人間として選ばれたのではないでしょうか。
(崖を登るのと通気孔を登るシーンがデジャヴュです)
 しかし、人間の子孫が続いていくというのは難しいものです。
 私は中学3年の時に鬱病を発症してその後まともな人間関係を築けなくなり、とうとうお家断絶に追い込まれてしまいました。
 人間の生命は今後も続いていくようですが、私の遺伝子は残らないのです。こんな悲しいことはない。
   
 火の鳥2 未来編 (角川文庫) 火の鳥≪オリジナル版≫復刻大全集  未来編 火の鳥 2 未来編 (GAMANGA BOOKS) 火の鳥 2 未来編 (月刊マンガ少年別冊) 
  
 wikipedia:火の鳥 (漫画)
  
火の鳥」はどんな漫画なのか?基本情報・あらすじを徹底解説
  https://mangatari.jp/recommend-hinotori-story
壮大すぎる火の鳥『未来編』を何度も読み返して辿り着いた1つの答え
  https://mangatari.jp/recommend-hinotori-mirai
  
火の鳥手塚治虫):まとめ/全体のループ構造・ストーリー概要・世界観を把握しよう|(0) 序論
  https://www.gixo.jp/blog/2612/
ギックスの本棚/火の鳥手塚治虫):(2) 未来編
  https://www.gixo.jp/blog/2645/
  
『火の鳥 未来編』のバイオ・アップデート版はこうなる!放射能では生命は滅びない
  
ブクログ
 https://booklog.jp/item/1/4022140232
 https://booklog.jp/item/1/404106631X
 https://booklog.jp/item/1/4041851025
 https://booklog.jp/item/1/4835447441
 https://booklog.jp/item/1/4778032624
 https://booklog.jp/item/1/4257987421
読書メーター
 https://bookmeter.com/books/487288
 https://bookmeter.com/books/12846647
 https://bookmeter.com/books/570478
 https://bookmeter.com/books/3120882
 https://bookmeter.com/books/7565251
 https://bookmeter.com/books/37502
  
火の鳥 1・黎明編”
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2019/02/14/205238

【アンケート実施中です!ご協力お願いします!】
手塚治虫の『火の鳥 未来編』を読んだことありますか?
  http://blog.with2.net/vote/v/?id=205343



        
         ↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m

          
↓また、ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
 コメントやはてなスターもお待ちしております。m(_ _)m
   
       

会話がはずむ雑談力 齋藤孝

  会話がはずむ雑談力―――10秒でコミュニケーション力が上がる 会話がはずむ雑談力―――10秒でコミュニケーション力が上がる

 今まで出されてきた雑談力関係の本の続編。
 本書の特徴としては、分量が少なめですが
  
第3章 3人以上の雑談を制する
  
があることです。
 いつもながら齋藤先生のロジカルで分かりやすい解説です。
 私も複数人の会話ではよく仲間外れになってしまうタイプなので、必読です。
 ただ、分量の比重から見ると、盛り上がっている側が仲間外れになってしまった人をフォローするという記述の方が多い。
 仲間外れになった側が行うことについての記述は本当に少ない。
 しかし現実を考えるとそうなるでしょう。
 これは、盛り上がっている方の良識に任せるしかない状況です。
 仲間外れになってしまったら、悪あがきせずに聞き役に徹する方がいいのかもしれません。
   
 会話がはずむ雑談力―――10秒でコミュニケーション力が上がる すごい「会話力」 (講談社現代新書) 上手に「切り返す」技術 15秒あれば人間関係は変えられる 自分の言いたいことをきちんと伝える技術
  
ブクログ https://booklog.jp/item/1/4478068615
読書メーター https://bookmeter.com/books/11453670
  
“宇宙船ペペペペランとシャイマンロン”
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20141017/p1
  
“いつも余裕で結果を出す人の複線思考術 齋藤孝
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2019/01/15/064622
現代日本有数の人材養成機関・齋藤ゼミのコミュニケーション教育”
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20170425/p1
“雑談力上級編 会話力”
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20141112/p1
““雑談力”上級編・【コメント力】”
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20140124/p1
■[自己啓発]「雑談力検定」公式本!?雑談力が上がる話し方
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20131014/p1
■[日々の冒険]喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな!
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20130610/p1
■[自己啓発]喫茶店で10分持ちそうもない 一生かけて学んでいかねばならない
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20170118/p1
■[自己啓発]会話に強くなる: ~話す力・聞く力を育てる33のメソッド~
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20140820/p1

【アンケート実施中です!ご協力お願いします!】
齋藤孝さんの著書を読んだことありますか。
  http://blog.with2.net/vote/v/?id=205166



        
         ↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m

          
↓また、ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
 コメントやはてなスターもお待ちしております。m(_ _)m
 

闘論 (1) 古代史への挑戦 梅原猛と竹内均の対談

 闘論 (1) 古代史への挑戦 (徳間文庫) 闘論 (1) 古代史への挑戦 (徳間文庫)  
  
 梅原猛さんの著書は文体が独特で分量も多くて読みにくいものが多いのです。
 しかし対談なら梅原学説が分かりやすく語られているので、まず対談から攻略していくのも一法かと。
 本書は梅原さんの理解者でもあり好敵手でもある竹内均さんとうまく噛み合っていて、梅原学説入門として最適だと思います。
   
第一章 新しい学問の構想
 大陸移動説を唱えたウェゲナーを例に挙げ、学問論を闘わせる。
 明治以降の日本の文系学問は西洋の学問を紹介する「祖述学」中心で独創性がない!自然科学は人文科学よりは国際性が必要だから少しはマシだけどやはり物足りない!とコテンパンです。
 現在でも大学の文系学部縮小論が出てきたりしているので非常に今日的な議論です。
 文系叩きの風潮に対して文系を擁護する意見が出てきたりしていますが、梅原猛さんが健在ならどのような発言をされたでしょうか。
 さらに、これは竹内さんが言われた例ですが、牧野富太郎は植物研究に熱中するあまりに生家の造り酒屋を破産させたそうで、経済と学問の関係はこうありたい、と。
「小人閑居して不善をなす」ではなくて「大人閑居して学問をなす」と。
 そこでお二方は、日本も経済大国になったのだから今後は学問にお金をかけて世界に通用する学説を発表していかねばならない、と言います。
 当時の日本は経済大国で、そんなことを言える余裕があったのですね。
 確かに当時、今後は企業も社会貢献せなあかん、メセナの時代だとか言われていました。
 しかし結局はあだ花的風潮に終わり、日本の現状は見ての通りです。
 今では学問にお金をかけるどころか、奨学金すら出し惜しんで高利貸と変わらんような状況です。
 梅原さんがもし健在なら、今の学問の状況についてどう発言されるでしょうか。
    
第二章 アイヌの文化と日本
 梅原さんも竹内さんも日本人の起源ということに関心を持ち、その点でアイヌ民族と日本人の共通点を重視されています。
 日本民俗の成り立ちについて一部に相違点はあるようですが、大方の部分において共通した仮説をお持ちのようです。
 金田一京助さんはアイヌ語と日本語は全く別のものだという学説を唱え、それが今でも主流派のようです。
 梅原さんはアイヌ語について学び、アイヌ語と古代日本語の共通点について色々と例を挙げ、金田一説を否定していきます。
 この問題について、後に別の対談集で深く論じておられるようです。
   
 アイヌは原日本人か (小学館ライブラリー) アイヌは原日本人か (小学館ライブラリー)  
  
  wikipedia:日本語の起源
  
 また、アイヌの倫理の基本は「うそをつかないこと」で、これはアイヌの宗教観からきているようです。
  
「ところが『古事記』の大和朝廷の日本征服の話は、全部うそをついてだました話です。」
「全部だまし討ちです。だまし討ちの思想が『古事記』の思想です。」
  
……と、日本すごい!の歴史改ざん主義者どもが聞いたら怒り出すような指摘も。
  
「政治力の一つの要素はだますことです。」
   
 確かに、今の日本の政治は嘘で塗り固めたような悪政を平気で行って国民もそれに麻痺して、嘘が当然のようになっています。
 その意味では確かに安倍政権は「日本の伝統」に忠実なのかと。 
  
第三章 原日本人のイメージ
 第二章の続きのような感じで、アイヌと沖縄人は日本人の人種的基底だという仮説を展開。
 日本語とアイヌ語はもともとは一つだったという仮説はウェゲナーの大陸移動説を思わせる仮説だと竹内は言う。
 アイヌ語を勉強している梅原さんがアイヌ語と日本の古語の共通点を色々と紹介。
 これはやはりアイヌ語を勉強してこそ分かる学説ですね。
 梅原さんの提案に対して、その後の研究はどう進展したのでしょうか。
 ところで、清水義範さんが
「英語の語源は日本語」
というテーマでパスティーシュ小説を書かれています。
(『蕎麦ときしめん』収録『序文』)
 その元ネタはこちらに当たるのでしょうか。
 清水さんは『隠された十字架』のパスティーシュも書かれていますね。
  
第四章 古代の視座
 今までの日本人の起源に関する話題から時代は少し下がって、『古事記』成立の謎に迫る。
 藤原不比等柿本人麻呂らが登場。生臭い勢力争いが絡んでいるという。
 柿本人麻呂が編纂した「原古事記」を藤原不比等が改竄したのが「現古事記」だという仮説。
 もちろん、聖徳太子蘇我氏の謎も。
 飛鳥・奈良時代はよく分かっていない時代なんですが、こういう仮説を知った上で見てみると面白くなりそう。
   
 wikipedia:柿本人麻呂
 wikipedia:藤原不比等
  
第五章 地球科学の発想
 竹内均さんによると、大天才の科学者の系譜は、
ニュートン
マックスウェル
アインシュタイン
だという。
 この章では主に地球科学について論じています。
 梅原さんが柿本人麻呂の遺跡を調べるために行った海中探査について多く論じられています。
 もう一度探査したい、竹内さんも一緒にやりませんかと非常に盛り上がっていましたが、その後どうなったのでしょうか。
  
竹内「(地球上の大陸は)どうも離合集散をやっていたらしいんです。集まってただ一つの大陸だった前には、いつごろ前か知らんけれども、バラバラだった時期がどうもあるらしい。プレ・ヒストリーから、プレ・プレ・プレといくような感じになってきた。」
  
 闘論 (1) 古代史への挑戦 (徳間文庫) 闘論 (2) 科学への挑戦 (徳間文庫)
  
 wikipedia:水底の歌
 wikipedia:梅原猛
  
どっ - teacup.ブログ“AutoPage
 梅原猛竹内均の対談
  https://angel.ap.teacup.com/yosimasu/288.html
 
ブクログ
 https://booklog.jp/item/1/4195976359
 https://booklog.jp/item/1/B000J81FWU
読書メーター
 https://bookmeter.com/books/253806
 https://bookmeter.com/books/602874

【アンケート実施中です!ご協力お願いします!】
梅原猛さんの著書を読んだことありますか?
  http://blog.with2.net/vote/v/?id=205023



        
         ↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m

          
↓また、ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
 コメントやはてなスターもお待ちしております。m(_ _)m