OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

映画『ルパン』の原作

 映画『ルパン』の公開に合わせて、書店ではルパンフェアをやっているようです。
 私の家の近くの比較的大きな書店でも小規模なフェアをやっていました。
 
 一般書部門では、新潮文庫とハヤカワ文庫から2冊ずつ、オビ付きの本が平積みです。
 813 (新潮文庫―ルパン傑作集) 813 (新潮文庫―ルパン傑作集)  813 (続) (新潮文庫―ルパン傑作集) 813 (続) (新潮文庫―ルパン傑作集)
 創元推理文庫は、普段の棚のところにオビなしの旧在庫が数冊並んでいるのみ。
 創元推理文庫からは文庫版全集が出ているというのに、この有様は寂しい限り。
 カリオストロ伯爵夫人 (創元推理文庫 107-8 アルセーヌ・リュパン・シリーズ) カリオストロ伯爵夫人 (創元推理文庫 107-8 アルセーヌ・リュパン・シリーズ)  カリオストロの復讐 (創元推理文庫 107-15 アルセーヌ・リュパン・シリーズ) カリオストロの復讐 (創元推理文庫 107-15 アルセーヌ・リュパン・シリーズ)
 書店がそう大きくないので仕方のないところか。
 角川文庫はフェアに参加しているのだろうか。
 
 意外と面白いのは、児童書コーナーである。
 ポプラ社の文庫版・怪盗ルパン全集と
 偕成社文庫のルパンシリーズ数冊でフェアをしていた。
 
 偕成社文庫では『カリオストロ伯爵夫人』を映画原作として銘打っていた。
 カリオストロ伯爵夫人 (偕成社文庫) カリオストロ伯爵夫人 (偕成社文庫)  カリオストロの復讐 (偕成社文庫) カリオストロの復讐 (偕成社文庫)
 
 偕成社文庫は児童書のくくりになっているが、実は完訳も多く、大人が読んでも読み応えあるシリーズである。
 また、偕成社からはアルセーヌ・ルパン全集が出ている。
 装丁が児童書のようだったので子供向けの簡訳版かと思っていたのだが、実は完訳版だそうである。
 偕成社文庫は、この完訳全集を文庫化したものです。
 
 そしてポプラ社の文庫版・怪盗ルパン全集からは10冊がオビ付きの平積みで並べられており、壮観だった。
 私が図書館で借りてきたのはハードカバーだったが、今はソフトカバーの文庫として発刊されているようだ。
 この全集の無料折り込みチラシがあったのでもらってきた。

子どもから大人まで楽しめる不朽の冒険ミステリー
ルパン生誕100周年

というキャッチフレーズ。
 
「アルセーヌ・ルパン20の謎」という、全20巻の紹介も兼ねた簡単なQ&Aが楽しい。

読んでから観るか?
観てから読むか?
 
ルパン生誕100周年記念超大作
 ルパン

という映画の紹介も入っている。

映画の原作になった作品はこの3作です
 奇巌城 (シリーズ怪盗ルパン) 奇巌城 (シリーズ怪盗ルパン)
 813の謎 (シリーズ怪盗ルパン) 813の謎 (シリーズ怪盗ルパン)
 魔女とルパン (シリーズ怪盗ルパン) 魔女とルパン (シリーズ怪盗ルパン)

と紹介されている。
 そうか、『カリオストロ伯爵夫人』はポプラ社版では『魔女とルパン』というタイトルで出ていたのか。
 前2者は平積みされた10冊の中に入っていたが、一番肝心の『魔女とルパン』は並んでいなかった。
 地域で一番大きい書店といってもそう大きくはないので、前20巻を平積みにするスペースがないのは分かる。
 しかしどうせなら1冊あたりの数を減らしても、全巻入っていた方が安心できる。
 しかも一番肝心な『魔女とルパン』を入れていないとは、仕入れ担当者の勉強不足か。
 いや、この作品は偕成社文庫で仕入れ、ポプラ社からはその他の作品を選んだ、という意図ならさすがである。

 ハヤカワ文庫『カリオストロ伯爵夫人』の解説では、『カリオストロ伯爵夫人』が映画の基本的な原作であり、他にも色々な作品から要素を取り込んでいると説明されている。
 カリオストロ伯爵夫人 (ハヤカワ・ミステリ文庫) カリオストロ伯爵夫人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)  怪盗紳士ルパン (ハヤカワ文庫 HM) 怪盗紳士ルパン (ハヤカワ文庫 HM)
 
 (公式サイト) http://www.arsene-lupin.jp/
のあらすじを読むと、かなり複雑で盛りだくさんなストーリーのようである。
 これでは、元になった作品を先に読んでおかないと理解できそうにない。
 色々な作品の要素が取り入れられているようだから、元となるネタを知っていればより楽しめそうである。
 
カリオストロ伯爵夫人』は、ルパン最初の冒険譚と銘打たれている。
 ルパン作品には他にも少年時代を描いた作品もあるようで、父や母との関係も描かれているようで、恋愛や結婚も色々しているようで、そういった過去も映画で描かれているようだ。
 そういう意味で言えば、ルパン作品は出版順に読むのではなく、描かれたルパンの活躍年代順に読んでいく方が面白そうだ。
 各作品でルパンの過去に矛盾がないか?映画版ルパンと原作のルパンとの違いは?
 原作を知れば知るほど面白く観られそうな映画版『ルパン』である。
 
 ルパン ルパン
  ↑今回の映画にちなんで発行された本?
 
(映画『ルパン』にちなんで)
■[名作文学]ルパン派とホームズ派
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20051008
 

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