1890年にエルトゥールル号が来日したいきさつとその遭難とその救出劇についてエルトゥールル号自身が語ります。
エルトゥールル号には600名を超える乗員がいたそうです。
私は今まで大きな船とは縁がなかったので数百人も乗っている船なんて想像がつきません。
ちなみに1912年のタイタニック号沈没事故では2000人を超える乗員がいたそうです。
エルトゥールル号自身が語るところによると、この航海は無理を重ねていたようで、最初から困難を極めたようです。
それでも無事日本に着いたら、乗員にコレラが流行。日本政府のコレラへの対処が的確だったようで、感染は最小限に抑えたようです。
(21世紀の日本ではコロナ感染症初期の時期にクルーズ船でのパンデミック事件がありました。)
台風シーズンなのに帰国を急いで出港したために台風にぶつかり、遭難に至ったようです。大島の住民は貧しいながらも自己犠牲の精神で漂流民を助けたといいます。
ただ、エルトゥールル号自身が考えるところによると、この計画は最初から無理を重ねたものであって、「天災ではなく人災だった」ということです。
トルコ本国ではこの航海計画についてどう考察されているのでしょうか。
何事であれ、人命を軽視した無理な計画はいけません。そういう無謀は過去のものにしなくてはいけません。
後日談として、1985年のイラン邦人の救出について触れられています。
最後のエルトゥールル号の意見が素晴らしい。
「けれど、わたしは思う。ほんとうは、トルコや日本という大きなものではなく、人間が人間として人間に向きあった無償の行為が、すべてを動かしたのではないかと。
なにか大きなもの、大きな力、国や組織、そんなものの犠牲になるのは、いつも小さなひとりひとりの人間でしかない。そして、いざというとき、それを救うのも、やはりそこにいるひとりひとりの人間なのだ。」
船にしてはやけに人間くさいこと言っていますが、その通りだと思います。
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