OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

明るい未来〜選挙バージョン

明るい未来〜選挙バージョン
 2009年8月30日は歴史的転換の日でした。
 以前、税金を使って堂々と買収を行う“低額給付金詐欺”に対して批判した私にとっても喜ばしい結果ではありましたが、もろ手を挙げて喜ぶ、とまではいかない、釈然としないものを感じます。
 
■[日々の哲学][堺]吉田初三郎デザインの“堺とくとく商品券”プレミアものか!?
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20090421/p1
 
 かつて新日本プロレスで軍団抗争が行われていた頃、圧倒的に嫌われていて圧倒的に分が悪かったはぐれ国際軍団を応援していたことから分かるように、元来私はメジャーなものを嫌い、マイナーなものを応援したくなるあまのじゃく精神・反骨精神を持っています。
 
■[地上波プロレス中継観戦記]週プロ、朝日新聞に登場
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040906/p1

私の応援は、国際軍団>>正規軍>長州軍
だったが、試合での勢いは 長州軍>正規軍>>国際軍団であり、会場での声援もこの順ではなかったかと思われる。

 だから当然自動車もトヨタではなくマツダ車に乗っていた(現在はノーマイカー生活)し、織田信長豊臣秀吉徳川家康も嫌いだし、野球はアンチ巨人であるし、ついでに土地柄から周囲に阪神ファンが多いのでアンチ阪神であり、なるべくメジャーな選択をしないように心がけている。
 
 群雄割拠で色々な少数勢力が競い合って選択の余地があるのがいいと思っている私としては、二大政党制で、しかもそのうちの一方が圧勝するなんていう結果は喜ばしいものではない。
 日本人にとって政治家になることは、この2つの政党(又は宗教政党)に属しないとほぼ不可能な、非常に敷居の高い状況になってしまったのである。一体いつからこのような制度になってしまったのか。
 
 ここで、私が中学生の頃に習った「公民」の授業を思い出す。
 歴史や地理に比べてマイナーな科目の「公民」とは、歴史が好きだった私にとって物足りない科目であったが、今思うと社会の仕組みについて学ぶ非常に重要な科目だったと思う。
 その「公民」の授業で習った日本の社会の仕組み、政治の仕組みは、非常に素晴らしくよくできたものだった。
 累進課税制など国民が支え合う仕組みがあり、福祉や医療や郵便に関する営利目的に適さない分野は国が運営しているのである。何と日本の社会や政治とはよくできた立派なものだ、と幼いなりに感心し、この時代の日本に生まれてきた幸せをつくづくと感じたものである。これが愛国心の芽生えであろうか。
 衆議院の任期は4年で参議院は6年。衆議院は解散があって国民の意見を反映しやすくし、解散のない参議院は3年ごとに半数が改選しじっくりと長期的展望に立った判断をする。
 良くできた仕組みだなあ。
 そして衆院選中選挙区制を採用し、参議院は全国1区の比例代表制で行う。
 良くできた仕組みだったなあ。
 
 私が中学時代に「公民」で習った日本の社会と政治の制度は、本当に素晴らしくて良くできたものだった。
……それが郵便は民営化されるし医療負担も増大し、選挙制度も改悪。一体何でこんなになってしまったんだろう。
 日本の社会や政治制度は、私が「公民」を習ったあの時代を頂点として、改悪を続け、悪くなる一方なのではないだろうか。
  
 私が物心ついて「公民」を習ってから初めての選挙は、比例代表制参院選だった。雨後のタケノコのように色々な政党が名乗りを上げ、政策を主張していた。
 みどりの党があった。青島幸男コロムビア・トップ第二院クラブがあった。東郷健の雑民党があった。宇宙人への「開星」を唱える党があった。田中角栄を政界から追放する勝手連があった。参議院を廃止して一院制を主張する右翼政党もあった。(何で覚えてるんだろう?)
 選挙公報を見るだけでも楽しかった(当時選挙権はなかったが)。特徴のある政党の政見放送を録音して何度も聞いたりした。その時の選挙公報も録音テープもしばらく「思い出のため」として保存していたが今はない。
 
 国民に政治への関心を喚起したり国民の声を幅広く国会に届けるには、こういった全国1区の比例代表制が最適なのではないだろうか。かつて選挙権がないにもかかわらず私が多彩な政党や主張を楽しんだように、そして色々な立場の人が意見を世に問いやすいように。
 
 あの当時、与党は保守本流自民党だった。八百長くさかったが曲がりなりにもその単独与党と社公民という野党が対立するというアングルがあった。
 そして「革新」勢力というものが存在していた。社共を合わせると国会の3分の1ほどを占めていたんではなかったか。
 
 このブログはタイトルから分かるように、「レトロ・懐古趣味」というのが基調にある。かつて存在していた古き良き時代を理想化し、その時代を懐かしむというスタンスが貫かれている。いわば古き良き時代に対するユートピア思想である。
 古き良き時代を理想化するといっても、あくまでも平和や民主主義という枠内であって、軍国主義賛美はノーウェルカムである。
 生存力や競争力がなくて適者生存競争で真っ先に落伍するのが分かり切っている私にとって、軍国主義が肯定できるはずはない。
  
■[名作文学]【百年読書会】『坊っちゃん』その後おれはうらなりになった
   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20090709/p1
  
 政治についての生々しい血なまぐさい言論や論争は大嫌いでノーウェルカムでこのブログでは余程のことがない限り書かないことにしている。
 それで、今現在「革新」といえば政治分野では過去の遺物となっているのであるが、ここではレトロ・懐古趣味としての「革新」として取り上げる。
 あの「革新」は、そして私が大切に保管していたあの時の選挙公報にあれだけたくさん載っていた少数政党・ミニ政党は一体どこに行ってしまったのか。(もっとも、ミニ政党は選挙終了と共に消えてしまったのが多かったのだが。)
 
 あの当時の日本人には、政党の数だけ希望があった。代弁者がいた。
 しかし政党の数が減るだけ、希望も代弁者も減っていくのではないだろうか。
 わずかな得票率の違いが大きな議席数の違いとなる二大政党制。
 死票の数が増えるだけ、希望や代弁者が減っていくのではないだろうか。
 
 私が中学で「公民」の授業で日本の社会や政治の仕組みについて習った時、日本の社会や政治はさすがに良くできた素晴らしいものだと感心したものである。
 日本の社会や政治はその時を頂点として悪くなっているのではないだろうか。素晴らしい歴史観愛国心を押しつけられても、実際の社会が悪くなっていては何もならないではないではないか。
 
 果たしてこのような選挙制度で明るい未来が築けるのであろうか。

※アンケートを作成してみました。ご協力お願いします。
「二大政党制と多党制(複数政党制)のどちらが良いと思いますか。」
  回答は → http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=20302

 

明るい未来

明るい未来

  
僕が初めて 選挙を見たとき 選挙公報はお祭り騒ぎだった
それぞれの主張を読み比べて なんて変な人たちだって笑った
テレビの 政見放送録音する時は 息を殺してボタンを押した
だけど台所で母が洗い物する音も入ったりした
 
明るい未来を信じてた 豊かな時代を目指してた 希望があふれてた
僕らはいったい いつどこで 何を忘れてきたんだろ あの日に帰りたい 
 
あんな人が あんな主張をし こんな人が こんな主張をしていた
あの人が あの政党に投票し この人が この政党に投票した
政党の数だけ代弁者と希望があった 色々な政党が 色々な人の受け皿になった
  
明るい未来の僕たちは 心のどっかが苛立って 誰かを叩いてる
死票が多い二大政党制に 少数派が切り捨てられた二大政党制に あの日をさがしてる
 
明るい未来を信じてた 豊かな時代を目指してた 希望があふれてた
ミニ政党もキラキラ光ってた 多党制が続くと思ってた あの日に帰りたい
  

   
“九条”で守ろう旅の安心、世界の未来! ■[無題]小選挙区の非民主制が明らかに!
  http://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20090902/p1
wishwoods ブログ館 ■[社会]『国のための準備はもうできてるかい?』(by 佐野元春、2004年)
  http://d.hatena.ne.jp/WISH/20090830#p1
NO REACTION~ and No Concept ■[topic]小選挙区制の恐ろしさ
  http://d.hatena.ne.jp/not0418/20090830/p1
「けっして反省なんかしないぞ」記 ■[社会]小選挙区
  http://d.hatena.ne.jp/K_AZM/20090831/1251667848
大脇道場 NO.1346 選挙がオセロゲームでいいわけないっしょ!!
 上から読んでも下から読んでも「ギインゲンイギ」 比例定数の削減は論外!
  http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-1383.html
 
 小選挙区制no!―二大政党制神話の罠 (ブックレットロゴス No. 3) 
 小選挙区制が日本をもっと悪くする―腐敗政治・金権選挙・独裁政権 日本を危険な国にする小選挙区制のワナ
 二大政党制と小選挙区制―アメリカ、イギリスの制度研究 
    


 ↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m