本書が出た頃(1994年4月)、『小さくともキラリと光る国・日本』(1994年1月)という本が売れていたのです。
この『小さくとも~』は、当時は小沢一郎の政治的ライバルであった武村正義さんが、小沢の「普通の国・軍事貢献」路線に対してリベラルな政策を主張した本でした。革新系野党支持者である私も保守からのリベラル路線には当然異論もなく、この武村さんの路線を支持していました。当時の日本の政治はタカ派路線に対抗するハト派路線が存在していたし、武村さんのリベラル路線の本がベストセラーになって版を重ねていたし、現在に比べてまだまだ健全だったのでしょう。
そのような状況でこの『小さい国日本のほうが好き』が朝日新聞の書籍広告で何度も掲載されていたのです。
私は武村さんのリベラル路線に則った本が出てくるのは良いことだ、と思って書店に取り寄せてもらったのです。
しかし内容としては、グダグダ・ダラダラ・ウダウダとぶつぶつ独り言を言ってるような内容で、期待外れに感じたものです。
帯の裏表紙側には南博(一橋大学名誉教授)の格調高い推薦文が掲載されていますが、本書の一番の読みどころはこの帯というところでしょうか。
著者の福澤さんは自虐的なことを述べながら世相を風刺するというぼやき漫談風を狙ったものと思いますが、私としては笑えませんで。
私は自虐ギャグなんて高等テクニックはよく分からないので正統的に分かりやすく論じてくれないと分かりません。
……と、読んだ当時も思ったのですが、現在再読しても同じです。
他の方は本書をどう読まれたのか、ネット上を検索してみましたが、言及はないですね。
アマゾンのカスタマーレビューもありません。
何せネットが普及する前の本だからなあ。本書もネット書店ではなく普通の書店で取り寄せて購入したものです。
著者の福澤英敏さんは芥川賞候補にもなった作家のようですが、文体が純文学的過ぎて私にはよく分かりません。
何と出版社(近代文藝社)を設立して社長となられたようです。出版社起業をした実業家でもあったのですね。そして本書はその自分の会社から出版したものです。
この近代文芸社、私が若い頃はよく朝日新聞に広告を出していました。自費出版ならぬ企画出版というのをやっていて、原稿を送って合格すれば本にしてくれるというのです。当時はネットもなかったし当然ブログやSNSもなかったので自分の原稿が本になるというのは大変なことだったのです。私も若気の至りで原稿を送ったことあったような記憶が……。
●ブクログ https://booklog.jp/item/1/4773332190
●読書メーター https://bookmeter.com/books/2251985
福沢英敏(ふくざわ ひでとし)-芥川賞候補作家|芥川賞のすべて・のようなもの
https://prizesworld.com/akutagawa/kogun/kogun71FH.htm
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