1000冊読む!読書術
読書術というより、著者が今まで読んだ本をつれづれ思い出し紹介していくエッセイのようなもの。当然本のあらすじや周辺知識・書誌的事項なども紹介されているので教養だとか薀蓄だとかいう知識もつきます。
まあ実際に1000冊ほど読まないと書けない本であるし、本書を読むと数十冊ほど読んだ効能がありそうな。
本を選び紹介することのプロである書評家による書評を活用することの利が説かれていることが特徴。
書評を読むことで、本を読む気にさせる・読まなくても読んだ気にさせるという利点があり、この、「本を読まない読書術」についても、『吾輩は猫である』や加藤周一を引用しながら紹介されています。
本書でも色々と書評の例が紹介されています。
そういえば私も新聞の書評欄や文化欄の記事は結構時間をかけて読む方なので、実際の本は読んでいなくても、読書界の動向についての知識はかなりあるような気がします。
文章力についても述べられていて、これが実は換骨奪胎という観点から述べられているわけです。
著者が朝日新聞在籍中に書いた成人の日の社説の成立過程を明らかにした部分が面白かった。
「成人の日にふとつぶやく」1997年1月15日
http://homepage2.nifty.com/karp/BKN/f20154.html
↑原文は見つからなかった。この記事で紹介されています。
他、「要約力」について、テレビかラジオのコメンテーターをしていた時、時間が足りなくて用意していたコメントを一言で要約した例など、経験者ならではの実例が面白い。
詩を読む例として紹介された
金子光晴『人間の悲劇』より「もう一篇の詩」
もすごい。
ブクログでのレビューを拝読すると、タイトルやら内容のレベルについての批判が幾つか見受けられます。
著者が常連ゲストとして出演されている「日曜喫茶室」で交わされるトークを思い浮かべれば、本書の雰囲気がよく分かるかと。
あと、時節柄、
5章 「1000冊読破」からの贈り物
−もし、本がなかったら世の中はどうなる?
読書こそ「考える力」の源である
人間から思考力を奪う、恐るべき手段
「焚書」の歴史が証明!「読書の力」
もしあなたの周りから、本が消えてしまったら……
独裁者たちが「自由な読書」を禁じる理由
あたりは、多くの方にぜひとも読んで頂きたいと思います。
ナチスや始皇帝が焚書をしたことはよく知られています。
アメリカでも奴隷制の時代、奴隷が本を読むこと、それ以前に字を覚えることを禁じていたということです。
TPPも奴隷制の復活のようなものだから、自由な読書は制限される方向に向かうかも。
それ以前に、安倍独裁政権が自由な言論を許容するかどうかが心配ですが。
ブラッドベリ『華氏451度』は、まだ日本に言論の自由があるうちに読んでブログで感想を書きたいですね。間に合うか。
ともかく図書館に本書があれば、この5章だけでも読んで下さいますよう、お願い致します。
1000冊読む!読書術
wikipedia:轡田隆史 wikipedia:日曜喫茶室
RAYMOND LEFEVRE - SAVE YOUR KISSES FOR ME 思い出のラスト・キッス
http://youtu.be/FL1NC3Xveu0
ブクログ http://booklog.jp/item/1/483792347X
ブックアサヒコム http://book.asahi.com/book/9784837923473.html
読書ログ http://www.dokusho-log.com/b/483792347X/
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