祭りの商人「香具師」
著者略歴によると、著者の川瀬孝二さんは東京芸大を出て流通問題のコンサルタントとして活躍する一方、香具師の世界を研究しているようです。
本書は、日経流通新聞に1981年から82年にかけて連載された「祭りの商人」を再構成したものらしい。
執筆当時でも香具師は減りつつあったようですが、今となってはほとんどいなくなりました。
著者が記した記録は今となっては貴重な資料でしょう。
小沢昭一さんは消えつつある香具師の世界を音で記録されました。
“ドキュメント 又 日本の放浪芸 聞かなきゃ損だよ”
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180127/p1
川瀬さんは同じようなことをエッセイ記事として残したのです。
今では見られなくなった香具師の方々が色々と実名入りで紹介されています。
今となってはもはや鬼籍に入られた方も多いと思います。
ネットやSNSがなかった時代のこと、記事に残しておかないと消えてしまう記録です。
例えば、本書の中に四天王寺の露店を管理していたのは関矢組だったという記述があります。
(今でもそうなんでしょうか)
「四天王寺 関矢組」でネット上を検索しても出てきません。
こういった忘れられつつある歴史的事実を活字にして残しておくのも大切なことではないでしょうか。
著者の川瀬さんは、一時、香具師のようなことをやっていたことがあるといいます。
光るヨーヨーの仕組みを発明し、マッチ問屋に持ち込んで商品化して「エレヨー」と名付け、売っていたそうです。
香具師としても才能があったようで、進駐軍GIなんかに売りつけていたといいます。
バカにつけるくすり
http://ksmd21.blog114.fc2.com/?mode=m&no=23&m2=res
↑こちらのブログでエレヨーの思い出が語られています。
wikipedia:香具師 wikipedia:的屋
wikipedia:清荒神清澄寺
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E8%8D%92%E7%A5%9E%E6%B8%85%E6%BE%84%E5%AF%BA
↑今でも屋台が並んでいるそうですが、香具師はまだいるかのう?今度お参りしてみよう。
美術べっこう飴「龍昇」 http://ameyasan.com/
子供が喜ぶアニメキャラの飴細工!美術べっこう飴「龍昇」さん!!
http://seabass.fool.jp/?p=20902
帝大生ゆめじの大道芸日記
角天、丸天とは?
https://blogs.yahoo.co.jp/teds3d/60624444.html
うまきの耳かき二代目・馬木健一さんについても紹介されています。
現在も健一さんのお弟子さんが「原田の耳かき」として継承されているようです。
1本2980円の「オーダーメイド耳かき」 70年以上つづく巣鴨の露店で作ってみた
https://danro.asahi.com/article/11955353
自由に飛び回れ!
原田(馬木)の耳かき
http://soragasuki0110.cocolog-nifty.com/blog0110/2012/05/post-763f.html
少彦名神社例大祭「神農祭」(とめの祭り)
http://www.sinnosan.jp/sinnousai.html
https://www.hankyu.co.jp/ekiblo/yasuko/26138/
↑針金細工の吉谷市郎さんが出ていると書かれています。
フレンチドッグは宝塚三代目大寅会・河野文治さんが「うちおろした」という説が掲載されています。
この説、ネット上を検索しても出てきません。
これは貴重な証言の発掘か!?
wikipedia:アメリカンドッグ
wikipedia:カルメ焼き
↑実は私は見たことないと思う。一度露店で見てみたいものだ。
多田保夫さんについても記されています。
見世物(たかもの)の多田興行社を創始された方です。
オニツカイ ノ ウタゲ
(展)人間ポンプの映像は見なくっちゃ『見世物大博覧会』の2
http://esv570.blogspot.com/2016/11/blog-post_14.html
日本の見世物小屋
非日常的な曲芸、天然奇物、細工を展示する仮設小屋
https://www.subculture.at/misemono/
ヴァニラで安田興行社見世物展、ポンプ人間、たこ娘、ウシ娘が蘇る
http://ginzanews.net/?page_id=20983
猫蔵の見世物小屋
https://blogs.yahoo.co.jp/takyapon01
露天商に必要な販売台・道具類などを考案・制作・販売している須田商事とその創始者・須田海山さんについても紹介されています。
須田さんは香具師だったが機械に強いことから香具師をサポートする今の会社を始めたといいます。
「須田商事」について検索すると、同じ栃木県に同名の会社が存在していました。
しかし、これが須田海山さんの創始した会社の発展形なのかどうかは分かりません。
ところで、須田海山師匠は著書が2冊あるようです。
一筋の眞に生きて
路傍の花
ブクログ https://booklog.jp/item/1/4532094542
読書メーター https://bookmeter.com/books/1283405
本が好き! https://www.honzuki.jp/book/283908/
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