白土三平のマンガを読むのは初めてですが、なかなか深い世界観があるようで味わい深かった。
【赤目】
最初、暴君による残虐シーンの連続で嫌になります。
暴君に妻を惨殺された男が一揆の扇動者になって復讐を遂げる話。
復讐までの道のりが紆余曲折。
最初は忍者になるために修行していたが追放され、やがて新興宗教の教祖となる。
シートン動物記を引用した壮大な計画ですが、風が吹けば桶屋が儲かる的なことがあり、うまくいくことは確実ではないし再現性もありそうにない。
そのあり得ないことをあり得るように描くことが筆力です。
【いしみつ】
不老不死の薬「イシミツ」を探す物語。藤原時代に始まり江戸時代中頃に終わる壮大な物語。
短いながらも読み応えあります。
【ざしきわらし】
下人の抜け忍の老後のちょっといい話。
全ての作品に忍者が登場するのですが、白土三平のマンガには全て忍者が登場するのでしょうか。
【解説/鶴見俊輔 死にかわり,生きかわり】
読み応えある解説。
白土三平のマンガには性と殺人があり大正時代の童心主義とは正反対だとか、日本の民間史学を独自の仕方で受け継いでいて羽仁五郎等の系譜にあたる等、見出しになりそうな指摘がされています。
また、収録作品についても的確に解説されています。
よく文庫本の巻末に「解説」なる一文が収録されていますが、筆者の身辺雑記的なもので作品を読むのに参考になりそうにないものも多いものです。
本書は全集と銘打っているだけあって、解説も充実しています。
白土三平
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E5%9C%9F%E4%B8%89%E5%B9%B3
イシミツ
https://asa8.com/s/sakuhin/ishimitsu.html
●ブクログ https://booklog.jp/item/1/B000J91KXS
●読書メーター https://bookmeter.com/books/692706
“SF怪談 ボタンどうろ 石森章太郎集 現代漫画13 筑摩書房”
https://diletanto.hateblo.jp/entry/2019/04/05/065144
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