麒麟がくる　第21回「決戦！桶狭間」

麒麟がくる　
第21回「決戦！桶狭間」
　　https://www.nhk.or.jp/kirin/story/21.html
　　
　　麒麟がくる前編 (1) (NHK大河ドラマ・ガイド)　

　ついに桶狭間の合戦が始まりました。今回は時系列に沿って桶狭間合戦をたっぷり描いた回。
　今川義元（片岡愛之助）は陣頭指揮を執って張り切っています。
　しかしどうしてもここで太原雪斎（伊吹吾郎）が存命だったならばと思ってしまいます。
　太原雪斎ならば同じ作戦を取ったでしょうか。
　以前は今川義元は上洛途上だったと言われていましたが、最近は上洛が目的ではなく尾張侵攻が目的だったということになっていて、今回のドラマでもその説によっています。
　それなら義元公直々に出陣する必要なかったのではないでしょうか。
　太原雪斎存命ならば太原雪斎が出陣して義元公は留守居という選択があったのではないでしょうか。
　
　菊丸（岡村隆史）による離反工作は失敗。
　松平元康（風間俊介）の判断は至極真っ当だと思います。
　常識的に見て、比べようないくらいに今川軍が圧倒しています。
　圧倒的に有利な方から圧倒的に不利な方に寝返るにはもっと理由が必要です。
　しかし歴史的に見て、圧倒的に不利な方が勝ったのだから何事も終わるまで分からないものです。

　信長（染谷将太）夫婦に突然子どもが登場。
　母親はどうなったのでしょうか。
　それに、もし信長が討ち取られたなら残された帰蝶（川口春奈）や奇妙丸の生活はどうなるのでしょうか。
　しかし奇妙丸とはいい名前です。信長が名付けたのでしょうか。
　
　光秀（長谷川博己）が到着。すぐに信長の後を追う。
　何でそこまでする？もし巻き添えになって死んだら残された妻や子や母はどうなる？
　まあここはフィクションだから。
　
　丸根砦を落として帰って来た松平元康にいらんこと言って怒らせたバカ家臣・鵜殿長照（佐藤誓）。
　これはいわゆる「大大名の威を借る狐病」だ。
　他にも乱取りをして義元公を激怒させた家臣もいました。
　今川家には「大企業病」が蔓延しているようだ。こんな家臣ばかりでは今川家も脆い。
　現代に生きる私はこういう失敗例を見てわがふりを直そうと思います。
　とりあえず、鵜殿長照は松平元康にどういう風に接するべきだったのか検討してみましょう。
　
　一度は寝返りを断った松平元康がつむじを曲げてその後サボタージュした過程は納得いくものでした。
　今川軍は織田軍が桶狭間に向かったということを把握して元康に桶狭間に向かえと命令しています。
　しかしなぜ本陣の今川義元は織田軍が接近していることを知らなかったのでしょうか。
　奇襲のようになっているし。
　現実にはどうだったのか、戦略的に興味深い事件です。
　
　義元公は脱出用の馬を準備しておくべきでしたね。
『毛利元就』でも尼子軍に反撃を受けた負け戦でしんがりを務めた毛利元就が命からがら逃げ帰るシーンがありました。

“ＮＨＫ大河毛利元就　第27回　逃げ道なし”
　　 https://diletanto.hateblo.jp/entry/2020/01/20/195822
　
　織田信長も浅井長政に裏切られて逃げ帰ったことありました。
　義元公も無事逃げ帰ってほしかったところですが、歴史的には逃げる間もなくあっという間に敗北したということなのでしょう。
　しかし今回の義元公は反撃して数人を返り討ちしていました。
　最後にあんな人間離れした毛利新介（今井翼）に討ち取られて本望でしょう。
　今回、天から降ってきたのは奇妙丸だけではなかった。
　しかし太原雪斎存命ならばどうなっていたか。見たかった気がします。

　

　天から降ってきた恐怖の大王・毛利新介（今井翼）。
【追記】
しかしこの飛び降り戦法、降下ポイントを間違うとやり直しがきかない。
義元公は這ってでも位置を移動していたら毛利新介は転落死していたはず。
　
　wikipedia:今川義元　 wikipedia:太原雪斎
　 wikipedia:桶狭間の戦い　 wikipedia:鵜殿長照

　ウィキペディアによると、その後の今川氏は氏真が継いで続いていくようです。
　小さいながらも家系を存続できたのだからすごいものです。
　窮地の時にどう生きながらえていくか考える事例となります。

　wikipedia:今川氏真
　　
　駿府にいた望月東庵先生（堺正章）はそろそろ京に帰ろうと言う。
　東庵先生はこの合戦についてどう思っていたのでしょうか。
　最初は織田信秀（高橋克典）の友人でした。
　しかしその後太原雪斎（伊吹吾郎）の主治医となりました。
　そして松平元康（風間俊介）の将棋友達です。
　友人の後継ぎと患者の主君と将棋友達がかかわる戦いについて、何を思っていたのでしょうか。
　意外と、職業的な医師の立場として中立的に見ていたのかもしれません。
　しかしやはり戦う職業よりも人を助ける職業の方がいいですね。
　
　　　　
　
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