俳句で綴る心の旅路―精神医療の現場から
著者の伊藤郁子さんは、精神科ケースワーカー。
旦那さんが精神科クリニックを開業した時、そのクリニックで精神科デイケアを始め、しかもそのプログラムに俳句を取り入れたそうです。
実は著者の伊藤郁子さんのお父上は、河東碧梧桐の高弟・田島賢亮です。
そのためデイケアの「青空句会」は自由律俳句の流れをくみ、自由律俳句誌『海紅』誌上で中塚檀の指導も受けたそうです。
デイケアプログラムに俳句を取り入れた効果については、おおむね好評のようですが、本書にも、あまり好きではないと感想を書いている方もおられます。
句会の際は、無理に句を詠まなくて良く、他のメンバーの句を知ることで十分としているようです。
ある時、医師の方から、句会を苦痛に思うメンバーがいると聞かされて、よく聞いてみると、自分も句をつくりたいのに思い浮かばないということでした。
「仲間が詠んで楽しんでいるのを見ると自分が惨めになり、なんとも言えない淋しさに陥り、孤独になってしまうと言うのでした」
確かに、何をやるにせよ、盛り上がる連中とその輪に入れない人がいるものです。私もよく後者になります。自然にそうなることもあるし、意図的に反発してそうなることもあるし。
私は子どもの頃から外に出て体を動かすのが嫌いで、家にこもって読んだり書いたりばかりの子どもでした。
学校でも、体育・運動会・遠足が嫌いで、座って聴いている授業が好きでした。
芸術系の授業でも、美術・音楽・書道よりも、作文の授業が好きだったから、文芸系が合っているのです。
だから、将来精神を病んでデイケアに通うようなことがあれば、スポーツ系のプログラムはボイコットして文芸系プログラムに出席すると思います。
人の好みは人それぞれで、スポーツを好む人もいれば、文芸を好む人もいます。
その意味で、デイケアのプログラムは選択肢が多い方がいいと思います。
では、幾つか作品を引用させて頂きます。
はるなのに嗚呼はるなのに春なのに 心溶
↑これは、やられました。
自由律俳句の新たな定番作品になりそうな句。
或いは、定型句になりそうなフレーズ。
新聞や雑誌の見出しになりそう。もしかして既に先例、ありますか?
美について沈思黙考する春の日 男35歳
我一人こおろぎの音夜長楽し 男26歳
冬寂し師走の雑踏我孤独 女41歳
今日も生きる明日も生きよと木枯らしの音 女32歳
wikipedia:自由律俳句
wikipedia:海紅
中塚檀 http://www.自由律俳句.net/nakatuka-mayumi/
自由律俳句結社「海紅」
http://kaikoh-web.sakura.ne.jp/WordPress/
移ろうままに
この師ありてこそ——田島賢亮
http://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2016-02-18-1
http://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2016-02-19
http://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2016-02-19-1
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