サウンド文学館パルナスで樋口一葉『たけくらべ』を聴き始めたのです(日色ともゑさんの原文朗読版)。
これは文語体というか、現在の小説の文体と違うので意味が取りにくい。
会話のところは何とか分かるのですが、地の文は古文を読んでいるようで分かりません。
図書館で現代語訳というのがあったので借りてきました。
1996年に没後百年記念ということで企画された5巻のうちの一冊のようです。
その後合本された文庫版が2回に渡って出たようです。
しかし現代語訳とはいいながら、原文とほとんど変わらないイメージでやっぱり分かりにくいのだった。
「訳者後書き」で松浦理英子さんは、樋口一葉の独特の文体について説明されています。
曰く、句点が少なくて読点でズラズラと書き連ねる文体
曰く、会話文を改行せず「 」で括らずズラズラと書き連ねる文体
だそうです。
この現代語訳もその形式を損ねない範囲で踏襲しているので、パッと見原文とほとんど変わらないビジュアルです。
松浦さんは現代の新人作家がこの樋口一葉の文体で小説を提出すれば書き直しを命じられるだろう、と書かれています。
現在複数出ている『たけくらべ』の本では、集英社文庫版が原文の表記を現代風の表記に書き直しているそうです。
ともかく、この松浦版でもパルナスの朗読版でも、文体が異色なので何度読んでも何度聴いても分かったような気がしません。
しかし文体もリズム感よく格調高いので何度聴いても飽きないので「読書百遍義自ずから見る」を実践するにはいい機会です。
速聴の訓練には、これくらいの文語文で行う方がより効果が高いのかもしれません。
能力開発のためには速聴や速読だけでなく「高速音読」も併用すれば良いと菊池昭雄さんもルサンチマン浅川さんも書いておられたので、今後断続的に継続していくつもりです。
それにしても、女性との付き合い方が分からない信如と天性的なプレイボーイの正太郎。また、決して主役にはなれないけど愛すべきいじられキャラの三五郎。ヒロインの美登利。登場人物が生き生きと描かれています。樋口一葉は24歳で夭折したのですが、もし存命していればその後どんな作品を描いていたのでしょうか。
また、美登利さんは紀州出身という。和歌山のどの地方のどういう家柄という設定なのでしょうか。和歌山と縁のある文学作品と言えなくもない。今まで『たけくらべ』と和歌山について注目した研究はなかったのでしょうか。
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辛酸なめ子の着物のけはひ 『たけくらべ(現代語訳:松浦理英子)』樋口一葉
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