【新樹の言葉】
本作品の書き手であり主人公の名は「青木大蔵」です。つまり、太宰治本人が自分について語った作品ではなく、青木大蔵なる人物について語った作品です。
ということで、事実を基にした創作であるようです。
私の大嫌いな作品『人間失格』の主人公・「大庭葉蔵」を思わせる名前というだけで嫌な気がします。単に「蔵」の一字だけが共通しているだけなのに神経質に過敏になっています。『人間失格』が憎いと「青木大蔵」まで憎くなってきます。
青木大蔵氏は故郷を離れ甲府で作家として一人暮らししています。そこに、乳母の子を名乗る兄と妹が登場します。
私が大嫌いな太宰作品のパターンであると、この妹さんが異常にモテる主人公の毒牙にかかって堕落し周囲に迷惑をかけていくといった展開になるところです。実は彼女と郵便屋さんが恋愛関係らしいのですが、悪の太宰作品パターンだと、郵便屋さんや太宰の彼女も巻き込んで四角関係の修羅場が展開されるところです。
ところがこの作品では語り手に理性が残っていて、郵便屋さんに彼女を任すという判断をしてあっさりとあきらめます。
太宰作品としては男女関係に潔い主人公です。
とはいえ酒に悪酔いして迷惑をかける一面もあります。
ネット上で本作品の感想を拝読すると、前向きだとか明るいといった評価が多いようです。しかし悪酔いして情けない面を見せるのは面白くありません。
●ブクログ
https://booklog.jp/item/1/B009AJ7OCY
https://booklog.jp/item/7/002270
●読書メーター
https://bookmeter.com/books/5676900
【光速宇宙人】小説の長文感想(あらすじ、ネタバレ有り)
「新樹の言葉(太宰治)」のあらすじ・ネタバレ・長文感想
★【秋風記】★
太宰治が二つ年上の32歳の女性・Kと不倫旅行する話。
湯河原で一泊して翌日には熱海に行くとか、なかなか豪勢です。
湯河原で「帰る!」と茶番の芝居を演じたりして、我が儘で振り回しています。
太宰治の一般的なイメージ通り乱れています。
湯河原の旅館では階下の大浴場があります。泳げるほど広い大浴場です。そこにKと二人で入っているのだから、混浴だったのでしょうか?他の客の記述はないのですが、貸し切り状態だったのでしょうか?
上海事変89日目で上海包囲が成立したという号外が出てきます。当時はまだ不倫旅行できる余裕があったのでしょう。
熱海でKはバスに巻き込まれて轢かれます。車輪に巻き込まれるとは大事ですが、とりあえず無事で回復したようです。一体どんな状況だったのでしょうか?
それにしてもKは太宰にとって都合の良い女です。太宰にはこんな都合の良い女が大勢いたのでしょう。だから甘えていつまでもヒモみたいな生活が成り立っていたのでしょう。
このKは昔から太宰家と出入りがあって太宰治と縁があったようです。血のつながりはないと書かれていますが、もしかして異母姉かと思われるくらい気が合っています。
今回私は『ろまん燈籠』を再読したくて角川文庫の『ろまん燈籠』の収録作品を順不同で読んできました。本作品は本書の巻頭に掲載されています。
今回折角『ろまん燈籠』『愛と美について』『女の決闘』と健全でユーモアあふれた名作を読んできて太宰治の悪い印象が改善してきていたのですが、これでまた嫌になりました。
巻頭にこんな作品が載っていたら、これだけ読んで放り出してしまうかもしれません。
とりあえず、私にとって太宰治の作品は極端に好き嫌いが激しくなります。
●ブクログ
https://booklog.jp/item/7/002267
https://booklog.jp/item/1/B009AJ7SBG
●読書メーター
https://bookmeter.com/books/5679016
空飛ぶネズミ
あなたは本当に太宰治を知っているか:太宰治『秋風記』(後編)
http://monoomou.seesaa.net/article/452094132.html
考察文|太宰治「秋風記」の空白を解く
https://note.com/becauseof__/n/n23c88f129003
(私が嫌いな太宰作品)(破滅的で暴走する太宰さん)
太宰治『人間失格』
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20050521/p1
“1億総斜陽族時代”たる現代日本にて『斜陽』を読む
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20090329/p1
ヴィヨンの妻 大谷は嫌いだ
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20140404/p1
あの時何があったのか!?太宰治『魚服記』
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20151030/p1
『文豪の探偵小説』【犯人 太宰治】
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20161030/p1

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