OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

32速読読書

書物の倫理 三木清

http://booklog.jp/item/7/050537 冒頭、「本の箱は捨ててしまう」と書かれていて、衝撃的だった。 私なら箱やカバーどころか、オビや折り込み広告の類いまで大事に取っておきます。 本は大事に扱うので、汚れるのも嫌なのです。 よく、 「何度も読むので本…

日本一かんたんな速読術?確かに

日本一かんたんな速読術―逆聴リーディング 某リサイクルブックチェーン店で帯付き・CD付きの美本があったので購入。 この出版社・この著者の本で毎度のことながら、速聴・逆聴で頭の回転を早くして速読できるようになるという本。 テキストはジグ・ジグラ…

新案探偵法 小酒井不木 ミステリ落語?

新案探偵法 奇人と呼ばれる生理学者・鯉坂嗣三君が考えた新案探偵法。 パブロフの条件反射の実験から思い付いた、犬の嗅覚を使った方法です。 サイコメトリー・残留思念を読むのではなく、いわば“残留臭気”を嗅ぐのです。 実地に応用した第一の事件は見事に…

暴風雨の夜 小酒井不木

暴風雨の夜 青空文庫 図書カード:No.48056 暴風雨の夜 小酒井不木 http://www.aozora.gr.jp/cards/000262/card48056.html http://www.aozora.gr.jp/cards/000262/files/48056_39014.html 「怪談会」で、医師のM氏が語った不思議な事件。 そもそも「怪談会…

宇宙爆撃 蘭郁二郎

宇宙爆撃 タイトルから受けた印象では、宇宙を舞台にした物語かと思いましたが、 磁気学研究所がボルネオに支所を開設するという話が延々と続き、いつ宇宙が出てくるのだと思っていました。 宇宙という巨大な世界の構造と原子というミクロな世界の構造の類似…

東京地下鉄殺人事件 トクマノベルズ大活字マガジン(3)

トクマノベルズ大活字マガジン vol.3 -西村京太郎 東京地下鉄殺人事件- 2016年 3/6 号 [雑誌]: 週刊アサヒ芸能 増刊 【あらすじ】 土曜日の地下鉄終電で連続殺人事件が発生! 十津川チームの粘り強い捜査により、防衛庁への武器納入に関わる 佐伯晋一郎国務…

魔像 蘭郁二郎 腐りゆくアダムとイヴ

魔像 『火星の魔術師』『脳波操縦士』と同じく、主人公が変な人物と遭遇して……というパターン。 『火星の魔術師』では、危機一髪!危うく虎口を脱することができ、 『脳波操縦士』では、悲しい思い出が残る出来事となりました。 今回の主人公・寺田洵吉の運…

電子書籍で速読支援システム 実現寸前!?

「スマホやタブレットで電子書籍を読むスピードを上げる研究が進んでいる」 という記事が新聞に載っていました。 30年以上色々な速読訓練に挑戦しては失敗してきた私も、スマホやタブレットを使えば速読できるかのう? 電子書籍、速読のカギは 印刷大手と大…

隅田川殺人事件 トクマノベルズ大活字マガジン(2)

トクマノベルズ大活字マガジン(2) 2016年 2/6 号 [雑誌] (週刊アサヒ芸能 増刊) (あらすじ) 隅田川を走る水上バスの中で花嫁が消えた! 調査の結果出てきた数々の証拠は、新郎・池沢の犯行を示唆していた。 池沢の知り合いの浅見雪江は息子の光彦に調査を…

トクマノベルズ大活字マガジン 2016年 1/7 号

トクマノベルズ大活字マガジン 2016年 1/7 号 [雑誌]: 週刊アサヒ芸能 増刊 コンビニで本書を発見。 大活字マガジンを名乗るだけあって、レイアウトが読みやすいと思いました。 大きめの字に2段組。 2段組となって1行当たりの文字数が少なくなると、1行…

脳波操縦士 蘭郁二郎(ネタバレあり!!)

脳波操縦士 語り手が旅先でマッドサイエンティストとその美しき同居人と出会い……という展開は 『火星の魔術師』と同じです。 ■[速読読書]火星の魔術師 ディレッタンティズムと秋の高原 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150519/p1 が、本作品に登場する森源…

夢鬼 蘭郁二郎

夢鬼 夢とか睡眠とかに関心があるので、読んでみました。 しかし私はこういう傾向の作品は苦手。 勧善懲悪でハッピーエンドで読後爽快スッキリする話の方が好きです。 恋愛でも、振られたら二度と会いたくなくてその人の前から消えたくなるタイプだし。 夢鬼…

あの時何があったのか!?太宰治『魚服記』

『文豪ミステリ傑作選 太宰治集 (河出文庫)』の冒頭に収録されています。 本作品はミステリか? 確かに、事件(悲劇)が描かれています。 何が起こったのか、想像することもミステリです。 芥川龍之介の『藪の中』のような迷宮入り事件ではありません。 かな…

パンドラの匣 太宰治の最高傑作

太宰治の最高傑作は何かと問われれば、私は、『パンドラの匣』だと思います。 『人間失格』や『斜陽』は不健全です。 高校生以下の人及び心理面に弱さを持つ人には、『人間失格』や『斜陽』は毒だと思います。 そんな方々でも安心して読める、いや、元気付け…

歪んだ夢 蘭郁二郎 夢見の能力も宝の持ち腐れ

歪んだ夢 夢に取りつかれたある人物の語る、夢の不思議な物語。 この人物は幼い頃から不思議な夢を見ています。 一種の予知能力でしょうか、幽体離脱なのでしょうか。 南方熊楠は夢の中で山中を歩き回り、観察地点を探したと言われています。 この物語の語り…

火星の魔術師 ディレッタンティズムと秋の高原

火星の魔術師 (あらすじ) 火星観測マニアの大村昌作に連れられて、英二は、私設天文台のある高原に火星観測にやって来る。 星が出るまでにはまだ間があるため、その辺をちょっと歩いているうち、二人は巨大な植物が生い茂る不思議な空間に迷い込む。 火星…

芥川龍之介『秋』 男女三人家庭人の物語

秋 結婚に際しての信子の選択の失敗。 結婚はお互い好き合った者同士が行うべきで、同情心から誰かに譲るものではありません。 例え同じ親から生まれた兄弟姉妹でも、恋をしたら他人の始まり。 ただ、もし信子が俊吉と結婚したとしても、その後どうなったか…

非凡なる凡人 国木田独歩

非凡なる凡人 五六人の年若い者が集まって互いに友の上を噂しあった時、一人が物語った桂正作という男の話です。 桂正作はそんなに出来がいい子ではなかったが、『西国立志編』を愛読し、人生に目標を立て毎日コツコツと努力を継続し、計画的に人生を築いて…

ガリバー旅行記 第四部まで尻上がりに面白く

愛読しているメルマガ「世界の名作を読みながら速読力を身に付ける」 http://www.mag2.com/m/0000144067.html では、このほど、『ガリバー旅行記』が終了しました。 全347回!1年近く読んでいたわけですね。継続は力なり。 ガリバー旅行記 (ジョナサン・ス…

超高速右脳読書法 中谷彰宏

超高速右脳読書法―人生を変える本に出会う47の具体例 中谷彰宏さんが明かす超読書法。 大学時代は、90分の授業中、講義を聞きながら10冊の文庫本を読んでいた、などという仰天エピソードも満載。 それができれば苦労はしないんですが。 録画したテレビ番組…

トリックを実験したい 銀座幽霊 大阪圭吉

(ネタばらし注意!) 死んでいたはずの人間が動いて目撃されていた!? これは科学的な視覚トリックですね。 解説されると確かに科学的で納得できるのですが、現実にもそんな風に見えるのか、実際に見てみたいです。 視力を測定するランドルト環というのが…

紅色ダイヤ 小酒井不木

主人公は、少年科学探偵・塚原俊夫君(12歳)。 ワトソン役は、ボディーガードとして雇われた大野さん(柔道三段)。 俊夫くんは、お父さんに小さな実験室兼探偵事務所を建ててもらい、そこで日々実験と探偵にいそしんでいます。 最近も迷宮に入った大事件を…

柿色の紙風船 ラジウム療法は痔に効くのか?

『柿色の紙風船』 海野十三・作 病院で使用している医療用ラジウムを盗んで売ろうとする悪人の回想談。 このラジウム、何に使ってるかというと、何と「痔」の治療! 昔は痔も放射線治療してたんですか!! 『これでわかる からだのなかの放射能--正しく知ろ…

外務大臣の死 今一つ消化不良

この【速読読書】カテゴリの記事も、2年以上更新していなかった。 このカテゴリは、 速読ができる「無料で速読トレーニング」 http://www.servicemall.jp/sokudoku/ 様が提供される教材作品の感想文を書くというもの。 当初はメルマガ配信を追いかけて書く…

海野十三版・少年探偵団『時計屋敷の秘密』 

(あらすじ) 村はずれに廃墟となって建つ時計屋敷。最初の住人も次の買い手の謎の失踪や死の後、幽霊屋敷として恐れられていた。 戦災者のための住居供出の達示が村に下り、幽霊伝説を信じない七人の大人が時計屋敷の調査に向かうが、帰ってこない。 八木音…

デパートの絞刑吏 大阪圭吉 読者に挑戦!(ネタばれ注意!)

(あらすじ) Rデパートの屋上から宿直店員が転落死した。書き手の記者は青山喬介と共に現場に向かう。喬介の捜査により明らかになった意外な真相とは……。 (感想:読者に挑戦 ですな) ポーの『モルグ街の殺人事件』を思わせる意外な犯人。 これだけの短い…

『睡魔』蘭郁二郎(ネタばらし注意!)

(あらすじ) 科学者の村田はバーで旧友の喜村に再会する。喜村は東京近郊で犬を育てる仕事をしていると言い、その夜村田は喜村の家で泊まることになる。 折りしも日本各地で嗜眠性脳炎(眠り病)が流行の兆しを見せていた。 翌朝、喜村の助手・山田が眠り病…

都市伝説的奇談『地図にない街』橋本五郎(ネタばらし注意!)

(あらすじ) 田舎から東京に出てきた士族出身の青年・寺内は全てを失い、何もするあてもなく公園のベンチで座っていた。そこでボロ毛布を身体に巻いた老人に会い、東京で無料で生活する方法について色々と教えてもらう。 やがて寺内は地図にない街に住む富…

落語的空想科学小説『地図にない島』蘭郁二郎(ネタばらし注意!)

(あらすじ) 夏も終わりとなり人影がなくなった海水浴場にて中野五郎は、奇妙な船に美少女と共に乗った叔父の細川三之助を発見する。この叔父はもう十五六年も昔の大震災の時以来、行方不明となっていたのである。 少女が気になった五郎は船に乗り込み、少…

『警官と賛美歌』 O・ヘンリー作

寒い冬を刑務所で暮らそうとたくらんだ男が色々と軽犯罪をして逮捕されようとするが運がいいのか悪いのか、なぜか逮捕されない。通りかかった教会で賛美歌を聴き、改心した直後に逮捕される。 タイトルからオチはある程度見当がついたが、実際にそうなってみ…